

漫画のキャラクターのモデルとなった女性
――漫画『ノーにゃんこ ノーライフ』では、自宅の庭でたくさん増えてしまった野良猫たちに餌をやるおばあさんの様子が描かれています。こういったエピソードは、斉藤さんの実際の保護活動での経験が元になっているのでしょうか?
経験したので描けたというのはありますね。漫画に登場するキャラクターは、モデルがいるものもあればそうでないものもあります。漫画に出てくる猫屋敷のおばあちゃんは、手術に反対で説得が大変な様子で描かれていますが、実際に私がTNRをしたお屋敷のご夫婦は協力的な方でした。
保護ボランティアのマキのモデルにもなった方はいます。町田市で活動している猫ボランティアの方で、何度か取材させていただきました。あと、猫好きな小学生の絢は、モデルがいるわけではありませんが、地域猫の活動をされている方のセミナーで聞いた「地域の子どもが大人と猫をつなげる役目を果たしたときがあった」というお話を参考にしました。
その他にも、千代田区と連携しながら地域猫の保護活動などを行っている「ちよだニャンとなる会」さんにも取材をして、保護活動や行政とボランティアとの関わりについてお話を聞きました。

――漫画を通して特に伝えたかったメッセージはありますか?
猫の保護活動に関わっている人たちを応援したいという気持ちが大きかったので、そういった人たちの活動や思いを描きたいと思っていました。もう一つ描きたかったテーマは、主人公の蒼と彼を巡る人間ドラマです。愛猫のちいこを亡くし、引きこもって社会から離れてしまっていた蒼が、野良猫をきっかけに地域や保護ボランティアとの関わりが広がり、自分の居場所を見つけていく。そんな再生・復活の物語です。
私は、地域猫のことを説明する「地域猫の学習本」のような話ではなく、猫に興味がない人でも楽しんでもらえる人間ドラマを主軸に描きたいと思っていました。もちろん、猫のボランティアや猫に関わる人たちにはぜひ読んでいただきたいですし、私もとりあえず猫好きの人にはこの本をおすすめしています。猫に関心がない人にも手に取ってもらって、保護猫活動やボランティアについて関心を持ってもらえたら嬉しいですね。また、他にもずっとあたためている猫の漫画のアイデアがあるので、いつか描けたらいいなぁと思っています。
取材・文/堤 美佳子
写真提供/斉藤 倫








