成田凌、前田敦子とのスタッフの対応の差に愕然
——撮影現場はいかがでしたか?
成田 僕が演じた加藤は、異世界に迷い込んでいろんな経験をしていく、一番お客さんの目線に近い人。だから現場ではなるべく自然体でいて、ただただ楽しい日々を過ごしてました。
前田 惠子は、異世界のコンビニの店員さんで、六角精児さん演じるオーナーの妻。ただ、惠子が何を考えているのかは、私にもいまいちわからない部分があって……。だから何か深く考えるというより、監督の世界観についていこうと。正直に、真っ直ぐな気持ちで現場にいた感じです。
——作中の主な舞台となるコンビニ「リソーマート」は、富士山の麓に本当にあったんですか?
成田 富士山の麓にポツンとある廃墟の草分けみたいな建物を、美術さんがコンビニに仕立てていて。朝は辺り一面霧で真っ白で、いるだけでビショビショになるし、セットした髪の毛が全部ストンって下りちゃうくらいなんですよ。その深い霧の向こうにコンビニがじわじわと現れていく。本当に異世界みたいなところで撮影してましたね。
——撮影は、寒い時期だったとか。
成田 過酷でした。これまでの作品の中でもトップクラスで過酷な現場だったと思います。そんな寒さの中、前田さんは、シャツ1枚でガソリン(※実際は水)を浴びて、びしょ濡れになるシーンがあって。監督が、「はい、オッケー!」とカットをかけると、メイクさんや衣装さんが前田さんに駆け寄って拭いてあげるんですよ。それを横で見ながら、「自分も同じくらい濡れてるんだけどな……」と思ってました(笑)。
前田 男の子が、タオル持ってきてくれてたよね?
成田 そう。小さいタオルを受け取って自分で拭いて、前田さんについていこうとしたら、「成田さんはお待ちください」と(笑)。
前田 誰かに「ロケバスにいて!」とか言われてて、「すごい扱いだ〜」と思ってた(笑)。フォローしたかったけど、本当に寒すぎて、しゃべれなかったんですよ。