もっともハイリスクなのは暗号資産
さらにバブル崩壊時には、リスクの高いものからお金が抜けていく。「エブリシング・バブル」が崩壊するなかで、もっともハイリスクなのは仮想通貨なので、その市場からお金が抜けていき、ご存じのようにビットコインの値段は昨年11月の最高値より7割以下に暴落しています。
自著のなかで紹介したステーブルコイン(法定通貨との固定した交換レートを持つなど、安定した価格を実現するように設計された通貨)のなかで、テラとシスターコインのルナが崩壊しました。トータルで7兆円(時価総額)が消滅したと言われています。
そもそも金融の世界の流動性が乏しくなってきているから、ハイリスクとされる仮想通貨からお金が逃げていく(つまり現金性=通貨の換金性がなくなっていく)のは、当然といえば当然なのです。
このような状況下においては、投機的なものからお金は逃げていくわけです。まずは仮想通貨で、その次は個人投資家を中心にSNSなどで爆発的な人気を呼んだミーム株(新興企業の株)です。
その代表は、いわゆるキラキラ銘柄を集めたアークイノベーションETF(「破壊的イノベーション」をもたらす企業へ投資するという方針で資産運用会社ARK社が作った上場投資信託)で、2021年2月の最高値156.58から下がり続け、2022年の6月21日には40.50となり、ピーク時の4分の1近くにまで下落しています。
大型株も例外ではありません。テスラにしてもピークからいったん半値まで落ちてやや反発したけれど、今後は下落トレンドに入ると見ています。アマゾンもピークから4割近く下落している。
これからはGAFA神話が崩れていき、下落のトリを務めるのが不動産関連株という予測でしょうか。まだまだ下落トレンドは序の口ですから、これからガクン、ガクンと下がっていき、気が付いたら大変なことになっているかもしれません。
FRBが突然、引き締め政策をやめでもしない限りは、そんなパターンになりますね。でも、突然引き締めをやめたら、永遠にインフレは収まらなくなるから、それはできない話でしょう。