沖縄の様々な海底遺跡と謎多き「ロゼッタストーン」
実は沖縄には与那国島以外にも海底遺跡といわれるものが多数存在する。例えば慶良間(けらま)諸島周辺の海底にはストーンサークルのようなものが発見され、東北・北海道などにある縄文時代の環状列石と構造が似ているといわれる。さらに、沖縄本島の北谷エリアの海岸沖の海底にはピラミッドのような形をした巨大遺構が発見されており、ダイビングツアーも実施されている。
与那国島の海底遺跡説の第一人者である琉球大学名誉教授の木村政昭氏は、北谷の遺構に関しても研究を行っており、遺構の構造が琉球王朝時代のグスク(城)と共通点があるなどの説をとなえている。
また、北谷周辺では「沖縄のロゼッタストーン」と呼ばれる謎の線刻石板が1933年に見つかっており、現在は沖縄県立博物館に収蔵されていている。私も実際に見に行ってみたが、動物のような絵柄や見たこともない文字のようなものが並んでいてとても神秘的なものだった。線刻版は100枚以上見つかっていたらしいが、戦後海外に持ち出されるなどして、今では十数枚が残っているのみだという。
『地球の歩き方ムー』を制作した際、『月刊ムー』編集部によると、この線刻版の文字は幻のムー大陸のことを記述したナーカル碑文というものにそっくりだという話を聞いて驚いた。
このように、人気のリゾート地である沖縄には、裏の側面としてミステリアスなスポットが点在している。ダイビングやシュノーケリングで沖縄の海に潜る際には、「もしかしたら何かあるかも!?」と思って泳いでいると、まさかの新しい発見があるかも!?
撮影・取材・文/池田祐子
画像素材協力/PIXTA