続いて、友情については一家言も二家言もありそうなタレントの武田鉄矢さん。「ボクは職場でも趣味で通っているダイビングスクールでも、どうしても友達ができません」とこぼす会社員の男性。「人生に友達や親友は必要なのでしょうか」という問いかけに、武田さんはいきなり「今のキミに友達は必要ありません」と言い切ります。

〈ある本によると、私たちは3つのものに支えられて生きているといいます。まずひとつめは、夜空や青空といった大自然。(中略)ふたつめが、目の前にいる人間です。(中略)そして最後のひとつが、独り言で「おい、お前」と思わず呼びかけてしまう存在。(中略)実は人間は、この3つうちのなにかに支えられていれば生きていけるんです。だから、ダイビングが好きなキミは海という大自然が親友だということなんです。そして、もしキミが海に向かって「おい、お前」と呼んでいるのであれば、それで十分だと思います〉
※初出:雑誌「週刊プレイボーイ」(集英社)の連載「武田鉄矢の人生相談 バカチンたちに捧げるバラード」(2004年38号~2005年27号)。引用:武田鉄矢著『武田鉄矢の人生相談 バカチンたちに捧げるバラード』(集英社、2005年刊)

私たちは「友達や親友と呼べる人がいないのはよくない」という思い込みに縛られているのかもしれません。人間じゃなくて海が大事な友達だったとしても、それはそれで十分に幸せな状態と言えるでしょう。相手が海なら、誤解されてモヤモヤしたり言い争ったりすることもありません。武田さんは「おい、お前」と呼びかける相手は、自分自身でもかまわないと言います。なるほど、きっとウマが合いますね。

「友達ができない…」の悩みに蛭子能収らが驚愕の回答_2