3連投制限も「ピッチャーは投げてナンボ」

――中継ぎ投手は基本的に3連投以上しないように運用していたりと、傍から見ると高津監督と伊藤智仁投手のコーチのマネジメントは完璧に見えます。

そうですね。監督が選手と距離を詰めてコミュニケーションを取ってくれますし、何かあれば相談できる雰囲気づくりをされていて、すごくやりやすい。伊藤智さんも口癖のように「試合で実践して失敗したらそれでいい。とにかく挑戦を怠るな」と言ってくださってるので、投手が自ら考えて、いろいろなことを取り組める環境になってますね。

“仕事人”田口麗斗が明かす、スワローズ「鉄壁ブルペン」の秘密_4
練習を見守る伊藤智仁投手コーチ

――連投がないのはやはりありがたい?

僕は投げてナンボだと思ってるんでどんどん投げたいタイプですが、左投手が少ないチーム事情で起用法もいろいろ、監督、コーチともに悩まれてると思います。だから僕は投げられる試合で投げてゼロで帰ってくるだけです。


――そもそも田口投手は先発出身。ヤクルトで中継ぎに転向したときの心境は?

ピッチャーとして1点でも少なく、1イニングでも多く投げる、これはどのポジションでも変わらないし、そんなに心境の変化はないですよ。正直、まだ先は長いので、僕の野球人生を長くやるために、これもひとつの糧になるようにと思って、今は1試合1試合全力で戦うことしか考えてないです。

――終盤の競った場面、しかも最近は満塁で登板する機会も多い。

そこは全然割り切って、目の前のバッターに集中できてます。前半から作り上げてきた先発、中継ぎ投手のがんばりを壊したくないという気持ちがモチベーションにつながってます。

――5月24日の日本ハム戦、延長10回無死満塁で田口投手が登板し、ピシャリと0点に抑えた場面はシビれました。

どっちにしろ1点もやれない状況でしたし、余計な邪念、余分な情報をカットできたから良かったんだと思います。逆にあの集中力で投げられた自分をほめてあげたい。

“仕事人”田口麗斗が明かす、スワローズ「鉄壁ブルペン」の秘密_5
一昨年のドラフト1位で今年はリリーフとして活躍する木澤尚文投手とのキャッチボール

――投げたときの雄たけびがスゴかった。

僕は感情的になるタイプなので、静かにしてるほうが難しいんです(笑)。

――相手打者から怒られないんですか?

それは全然ないですよ。勝負なんで、関係ないです。