ついにゴキブリを「手づかみ」してしまう

2017年3月、生き物の写真撮影と飼育個体の採集のため、先輩と八重山列島西表島を訪れることになりました。そして、この西表島で、「ヒメマルゴキブリ」との出会いを果たします。

ヒメマルゴキブリは、“メス成虫と幼虫はダンゴムシのように丸まることができる”という面白いゴキブリで、普段、私たちが家で遭遇するゴキブリとは似ても似つかない姿をしています。

採集の際も抵抗感はほとんどなく、キュッと摘まむことができました。手のひらに載せ、くるんと丸まったのを見て、「こんなゴキブリもいるなんて」と大きな感動を覚えました。

その夜、「ヤエヤママダラゴキブリ」にも出会いました。ヒメマルゴキブリよりもゴキブリらしい姿をしているため、最初は自分では触ることができず、先輩に代わりに採ってもらっていました。

しかし、毎回そうしていては採集が進まないので、勇気を出し、自分で採ってみることに。ゴキブリが潜んでいそうな石をどけたところ、黒い影が現れました。

すかさず手をかぶせると、軍手ごしにガサガサと暴れる感覚が。悲鳴を上げて手を放しそうになりましたが、グッとこらえて採集完了! また一歩、ゴキブリを克服できた気がして達成感でいっぱいになりました。

クロゴキブリへのエサやり、ヒメマルゴキブリとの出会い、ヤエヤママダラゴキブリの採集。こうした経験を通じ、私は徐々にゴキブリを克服し、「ゴキブリ好き」へと近づいていきました。