耳痛は「中耳」も原因に

――耳がツーンとして痛んだり、詰まった感じは、飛行機の離陸時や新幹線での移動時、高層階へのエレベーターに乗ったときにも起こります。それも同じ原因でしょうか。

その症状を「耳閉感」といいます。かぜ、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの病気の場合や、鼻を強くかんだときにもなりますね。この場合の主な原因は内耳ではなく、鼓膜の奥の「中耳」にあります。

中耳には少量の空気が入っていて、鼻と「耳管」という細い管でつながっています。この耳管は気圧が変化すると鼻側で開くので、通常は中耳と体外の気圧は等しくなっています。しかし、体外の気圧が低下すると中耳の空気が膨張し、鼓膜を押すために詰まった感じや耳鳴り、耳痛が現れやすくなります。

これらは気象病ではありませんが、気象病の症状には、こうした中耳の影響もあるでしょう。

頭痛、めまい、憂うつ…「気象病」の原因とケア法は?【専門医に聞く】_c

気象病になりやすい人の特徴は? セルフケア法は?

――気象病になりやすい人の特徴はありますか。

日ごろから、乗り物酔いをしやすい、めまいが起こりやすい、揺れに弱い、高所で頭や耳が痛くなりやすい人は気象病になりやすいといえます。

また、かぜ、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など鼻の病気、中耳炎など耳の病気、片頭痛、膝痛や顎関節症など関節痛、慢性的な肩こりや腰痛、関節リウマチ、気管支ぜんそくなどがある場合は、その症状が悪化しやすくなります。