『今のドラマ=つまらない』過去作礼賛が生む思わぬ弊害

近年、新作ドラマが過去の人気作とクオリティーや視聴率の面で比べられ、「そんなことなら昔の名作を再放送したほうがマシ」といった声が上がることもある。しかし皮肉なことに、実際に再放送が組み込まれると、今度はその構成に不満が噴き出す。

見る側にとっても、昔の作品ばかりを持ち上げることが得になるとは限らない。飲用氏は、現在もさまざまな良いドラマがあるのに、旧作が放送されるたびに「最近のテレビは……」という声が繰り返されることを気にかける。

『ほんとにあった怖い話』唯一の新作に出演した乃木坂46の井上和(画像/『ほんとにあった怖い話』公式SNSより)
『ほんとにあった怖い話』唯一の新作に出演した乃木坂46の井上和(画像/『ほんとにあった怖い話』公式SNSより)
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「『今のドラマ=つまらない』がSNS上で既成事実になってしまい、誰もが安易に『批評眼がある風』を装える言い回しとして広く共有されていく。そうした言説が広がると、現在の作品を見てみようという動機そのものが弱まってしまいかねません。結果として、今あるおもしろいドラマとの出会いを減らしてしまうことが、何より視聴者にとって最大の損失ではないでしょうか」

昔の名作をもう一度楽しめるのは、視聴者にとってもうれしいことだ。ただ、それが「今のテレビは見なくてもいいか」につながってしまっては、皮肉な話でもある。「昔はよかった」で終わらず、「次の新作も見たい」と思える放送を期待したい。

取材・文/集英社オンライン編集部