吉田沙保里とキャットストリートへ…自由な生き方はこれからも
──周りのアスリートの方たちとファッションを楽しむこともあったんですか?
W杯が東京で開催されたとき、吉田沙保里ちゃんと表参道へ一緒に行きました。キャットストリートにあるCandy Stripperのデザイナーさんがお友達で、華やかな小物がそろっているんです。沙保ちゃんも連覇の最中でものすごいプレッシャーを背負っていましたし、私も日本代表として大きな責任感を感じて日々過ごしていたので、お店ではとにかく自分を解放できましたね。
それと、2004年のアテネ・オリンピックでは試合の前にギリシャの美容室に行きました。伊調千春ちゃんと(伊調)馨ちゃんも一緒だったはず。
──いきなりギリシャの美容室に行くのって怖くないですか?
どうだろう……テレビ局のアナウンサーの方が「ここに行ったよ」とおっしゃってたんですよね。「じゃあ大丈夫でしょ」って感じでした(笑)。
たとえ数時間前に負けて泣いていたとしても、ファッションはあくまで別なんです。それに、せっかく異国の地に来たのだから、いろんな場所を見て歩くべきだなとも思っていました。アテネならパルテノン神殿、北京なら万里の長城、あとはエジプトのカイロとかハンガリーの鎖橋とか、とにかく見識を深めたかったんです。
──そういった生き方も含めて、周囲の方々から自由な生き方を学んだんですね。
そうですね。100歳手前まで生きていた祖母も日常的に日本髪を結っていて、タバコも吸うしウイスキーもダブルで飲むような、とにかく粋な人。母も下町のチャキチャキの江戸っ子で気前がよくて、ファッションも個性的なんです。おかげで「好きなものを我慢しなくていいんだ」って思えるんですよね。
来年の1月で49歳になるんですけれど、いろいろな経験をしてきたなかで、ようやく良いものの基準が分かってきた気がします。それは決して高級なことだけではなくて、着やすさだったり、自分に合う色を探すことだったりして。今の自分をこうして皆さんに知っていただけて、感謝とともに、これからの人生が楽しみになる新しいスタート地点に立っているような気がしているんです。
それに、今はオフィスで働く方々に体操を教える活動もしているんです。これからはもっと活動の幅を広げて、日本中を元気にしたいという夢もあります。父が「気合だ!」とエールを送ってきたように、私も自分にできることでみなさんを元気にしたいです。
取材・文/風間一慶 撮影/船津晃一朗













