印象に乗った友人の「ごっこ遊び」という言葉
――パーソナリティを務める『佐倉綾音 論理×ロンリー』(TBSラジオ)は、タイトルからもうかがえるように一風変わったコンセプトのラジオ番組という印象を受けますが、どのような経緯でスタートしたのでしょうか?
佐倉 以前から『安住紳一郎の日曜天国(通称『にち10』)』(TBSラジオ)のヘビーリスナーであることを公言していたところ、ある日、安住さんが番組をお休みするということで代打パーソナリティの打診を受けました。
なんとか代打を務めたあと、TBSラジオさんからオファーをいただいたのが『論理×ロンリー』を始めたきっかけです。「ご自身の番組をやってほしい」ということで、コンセプトに関する提案はとくにありませんでした。
――初回放送から「人はいつだって一人だって言ってるじゃん」「焼き肉は白いご飯にタレを塗るためのハケ」といったパワーワードが飛び出すなど、いわゆる「声優さんのトーク番組」だと思って聴くと、相当に不穏といいますか(笑)。佐倉さん独自の論理や思想があまりにも前面に出てくる内容なので、初めて聴いたリスナーは驚くかもしれません。
佐倉 (笑)。前番組(『アフター6ジャンクション2』)のライムスター宇多丸さんが私の名前を間違って紹介したときから、何かがおかしくなりました。
――宇多丸さんを「ウタマロと呼んでやろうかな。汚れがよく落ちるのよ~」と煽っていました(笑)。同じく初回放送で飛び出した「集団ごっこしようや!」という強烈なフレーズは、その後の放送のキーコンセプトになっています。
佐倉 もともとは、私の友人が発した言葉なんです。仲良くしている集団の中で「裏切られた」とか「そんな人だと思わなかった」というニュアンスの言葉が飛び出し、そのときに「いや、人間関係ってしょせんは仲良しごっこじゃん。裏切ったとかじゃなくて、みんなで『仲良くするごっこ遊び』を成立させる努力をするものだから」と友人が発言したことが、私の中で強く印象に残りました。
そのときの「ごっこ遊び」というのが、別に揶揄したり、人間関係を軽く見たりしたニュアンスの言葉ではなくて、「これからも一緒に楽しく過ごしたい」と真剣に向き合った結果に出た言葉で、人と向き合うなら相手を尊重した心地よい距離感をもって接するべきだし、お互いにそういう心づもりで生きていくのが大人なんだ、と私は受け取りました。
しょせん人は誰もが一人で生きていくものですが、完全に一人になりきることは不可能だし、かといって完全に群れの一部になることも難しく、その狭間で生きていかなければいけない、というのが私にとって生きる上での指標です。人生で起こるすべての物事は真剣な「ごっこ遊び」という友人の言葉は、とても腑に落ちました。
もちろん私も本気で人と向き合いたいと思っていますし、それはリスナーさんに対しても同じなのですが、それも突き詰めれば「本気ごっこ」「わかり合えてるごっこ」なんです。真剣に語り合ってわかり合ったつもりでも、100%わかり合えてるなんてことは絶対にあり得ない。
でも最後に「な~んちゃって。だけど、あなたのことを知ることができたし、私の話も聞いてもらえて、そのわかり合おうとする姿勢が嬉しかったです」と言えるような関係性を私は望んでいて、私はそうやってずっと生きてきました、とラジオで表明しただけだったんですよね。ちょっと言葉が一人歩きした感じはありますけど、真意が伝わっていればいいなと思います。













