社員の住宅ローン利息を200万円まで補助するヒューリック

10月10日、将棋の西山朋佳女流四冠が「第6期ヒューリック杯白玲戦」を防衛し、白玲通算5期で女性初の棋士のフリークラスへの編入権を獲得した。ただし、権利を得たことと、実際に棋士になることは別で、西山氏は対局後の会見で権利行使について判断を保留した。

女流棋界で実績を重ねてきた西山氏だが、白玲を通算5期獲得した女流棋士に棋士編入を認める新制度については、賛否がある。従来の奨励会や棋士編入試験とは異なり、女流棋戦での実績によって棋士資格を得られるためだ。

この制度は羽生善治前会長が提案し、2025年6月の棋士総会で承認された。白玲戦を主催するヒューリックの西浦三郎会長も、制度を歓迎する姿勢を示している。新聞の発行部数が減少する中、ヒューリックは白玲戦の主催や棋聖戦への協賛などを通じて将棋界を支えてきた。

ヒューリックといえば、9月には社員の住宅ローン利息を200万円まで補助するというニュースで話題になったことも記憶に新しい。

日銀の政策金利引き上げを受け、住宅ローン金利のうち、1%を超える利息部分について、年200万円を上限に補助するという内容だ。仮に1億円を借りていた場合、金利が3%になっても、返済負担は現在と変わらない計算となる。

人材確保に向けて各社が待遇を見直す中、異例の手厚い待遇は大きな驚きを呼んだ。ヒューリックは賃貸住宅を扱っているものの、大手総合デベロッパーのように分譲マンション事業を展開しているわけではないため、世間的にヒューリックという企業の知名度は高いとはいえないが、不動産業界内での受け止め方は異なる。

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三井不動産、三菱地所を上回る超厚待遇

大手不動産デベロッパーで働くA氏は「桁外れの住宅ローン補助も、ヒューリックなら驚きはない」と話す。有価証券報告書によると、ヒューリックの2025年12月期の平均年収は2295万円。業界最大手の三井不動産の1856万円や「丸の内の大家」こと三菱地所の1759万円をも上回る。

A氏は「ヒューリックの厚待遇ぶりは業界内でも抜きん出ており、財閥系や森ビルなど競合大手からも転職者が多い」と話す。門前仲町に立地する独身寮の月額使用料は、条件に応じて無料から最大2万円。本社カフェテリアでは朝食や昼食も無料だ。

第3子以降の誕生時には一子につき100万円の出産祝い金も支給され、本社内には保育所も設けられている。こうした手厚さは、高給が多い不動産業界でも抜きん出ている。

好待遇の背景にあるのが、好調な業績だ。2008年の上場以来、通期の経常利益は17期連続で増益を達成しており、25年12月期の連結営業利益は1868億円と、5年前から約2倍になった。