腸内細菌に感染するウイルス
これらのヴァイロームには、アデノウイルス(adenovirus)、ヘルペスウイルス(herpesvirus)、パピローマウイルス(papillomavirus)、レドンドウイルス(redondovirus)、そしてバクテリアに感染するウイルスであるバクテリオファージ(bacteriophage)などがいることが知られている。
そして、これらのウイルスの割合や、他のウイルスの存在プロファイルなどが、ヴァイロームごとに異なる。あるヴァイロームにいるが別のヴァイロームにはいないウイルスもいる一方で、ヘルペスウイルスは、ほぼすべてのヴァイロームに存在すると考えられている。
体内に棲まうウイルスの総数は、じつはほとんどわかっていない。体内に棲まうバクテリアの総数が、人間の細胞数(三七兆個)よりも多いという話をしたが、ウイルスの特徴を考えると、おそらくそれ以上の数のウイルスが、僕たちの体内に存在しているはずである。
O教授は、腸内細菌の研究者だが、腸内フローラの研究をしていくうちに、腸内細菌に感染するウイルス、すなわちバクテリオファージも多種多様に存在し、腸内ヴァイロームを作り上げていることに早くから興味をもっていた。
実験動物の大腸から取り出した腸内フローラ、つまりうんちのことだが、そこから大量のバクテリオファージが常に検出されてきたからである
文/武村政春 写真/shutterstock













