スターバックスにはない強みとは
カスタマイズに強みを持つゴンチャは、価格の幅も広い。ブラックティーのSサイズは税込み290円だ。スターバックスのブリュードコーヒーショートサイズが394円である。アイスティーブラックのショートサイズは445円だ。
ベーシックな一杯の価格はゴンチャの方が安い。ただし、好みのトッピングをするとスターバックスとの価格差はほとんどなくなってくる。
ゴンチャは国内400店舗体制を構築しようとしているが、出店拡大のカギとなるのは多様な利用シーンに対応することだ。ブラックティー290円という価格設定は、ちょっとした休憩での利用を促しやすい。自分好みにカスタマイズしたいというファン以外の需要を獲得できる。
スターバックスと真正面からぶつからないのもポイントだ。ゴンチャは「おしゃべり歓迎」というコンセプトを掲げている。スターバックスが幅広い過ごし方を受け止める「サードプレイス」を掲げるのに対し、ゴンチャは「おしゃべり歓迎」を前面に出すことで、友人同士などのカジュアルな利用をより明確に打ち出している。ゴンチャはカジュアル路線なのだ。
店舗形態も、カフェとテイクアウト中心のティースタンドの2つを設けている。出店候補地の立地特性や面積に応じて店舗スタイルを変えられるため、出店可能な物件の幅を広げやすい。
ゴンチャはベーシックな一杯の価格、ブランドコンセプト、出店形態の多様性という3軸で店舗利用の敷居を下げることに成功しているのだ。
ゴンチャはタピオカブームで知名度を高めながらも、ブランドの軸を日常使いのティーカフェから動かさなかった。結果として、ブーム時に大量に現れた競合の多くが姿を消す中、ゴンチャは店舗数を4倍近くに増やすことに成功している。
ベイン・キャピタル傘下での次の成長局面に向け、ゴンチャは世界での成長を目指すことになる。すでに世界33市場に展開するゴンチャが、日本を含む主要市場で築いた成長モデルをどう磨き、次の世界展開につなげるのか。今後の動向が注目される。
取材・文/不破聡 写真/shutterstock













