「全議員の宿泊費が県の基準額を守っていたのは2件しかありません」
県議会事務局が今まで情報公開請求をされなければ出してこなかった海外視察の費用などを明らかにしたのはこの翌日だ。
「前回県議選の後の2023年8月から今年4月までに県議会予算を使った23回の海外視察が行なわれており、総額は約2億6496万円に上ります。23回のうち7回は宿泊費が1泊10万円を超え、最高額は24年2⽉のフランス行きで当時の香原勝司議長(59)が1泊16万9000円の部屋を使っていました。
これはこれまで知られていた最高額の11万4千円より高く、2万7200円の基準額の6倍を超えています。全議員の宿泊費が県の基準額を守っていたのは2件しかありません」(地元記者)
さらに県議会関係者は視察目的の検証が必要だと指摘する。
「福岡県は獣医師の蔵内議長が主導する形で、人と動物の健康や環境保全を一体的に考える『ワンヘルス』と呼ぶ事業を進めていますが、この事業に絡む視察が7件あり、中国やエジプトを訪れています。これらは本来、県民の税金ではなく獣医師会のカネでやるべきではないかとの声があり、視察目的の確認が不可欠です」(県議会関係者)
これまで情報公開に消極的だった議会事務局が初めて公表をしたのは、県議会とは別に県が設置を決めた第三者委員会の調査対象に県議会の海外視察も含める方針を服部誠太郎知事が示した後のことだ。
もともと県職員出身の服部知事は「蔵内議長が引き立てて副知事から知事に据えてもらったため、蔵内議長の言いなりとみられてきた」(県政界関係者)とされる人物だ。
その服部知事も、1泊13万4千円の部屋に泊まる豪華海外出張をしていたことが発覚。県幹部職員が県議会議⻑らの就任を祝うパーティー券を組織的に購入するなど県庁と県議会幹部との癒着が問題視される中、こうした問題の解明に当たる第三者委の設置を決めた。
その第三者委が県議会の海外視察に手を突っ込むことを蔵内議長の“了承”なしに決めたことで、「服部知事が火の粉を払うため蔵内議長と距離を置こうとしている」との見方が県政界では出ている。
蔵内議長は7月23日に官邸で高市早苗首相と面会した後、メディアに囲まれると「日本で一番悪い男が蔵内勇夫だと言われている」と口にした。そんな軽口を、いつまで叩いていられるだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













