「湘南の住職なんで365日海パン履いてます(笑)」
ふたりのケアをしながら、副住職としての務めも果たす日々は10年になる。生活の中で大変なことを尋ねると、
「どこが大変かって、全部じゃないですか。ふたりの身体は大きく、重いですし。やっぱり、それが生活なので。あとは、どこの家庭にもあることでしょうけど、娘が言うことを聞いてくれないってことですかね(笑)」
ありふれた父親としての困りごとも挙げてくれた。
「朝咲は子ども番組が好きなんですが、『何見たい? これ?』って出すと『うーーーーん』って言うので、違うんだなとわかる。『じゃあ、これ?』って見せると、手を挙げる。正解なやつです(笑)。
番組中も、好きなキャラクターの出演が終わると『そこは飛ばせ』みたいな感じで『うーーーん』って言ってきて。それが延々と繰り返されたりもしますね(笑)。
お風呂は毎日一緒です。ヘルパーさん、もしくは義母がついてくれるので、海パン着用は必須。この10年で3着くらい、はきつぶしましたね。海には一度も行っていないんですけど(笑)。
なので、自己紹介するときに、『湘南の住職なんで365日海パンはいてます』なんて言ってますよ(笑)」
両親、医師、訪問看護師、介護士、ケアマネージャー、ヘルパー……たくさんの人の支えによって、3人暮らしができていると貴弘さんは話す。
「ヘルパーさんが帰って、2人を寝かしつけたあと、ふと肩の荷がおりるような瞬間は、やっぱりある。
お酒を飲みながらイヤホンでケツメイシの『ライフイズビューティフル』を聞いたり、勉強も兼ねて他のお坊さんの法話を聞いたり。
週に2回、月曜と水曜の日中に明里はデイサービス、朝咲は学校に行っているので、ひとりの時間ができます。
料理は僕がやっているので、まずは食材の買い出しですね。そして近所のおいしいパン屋さん、焙煎にこだわるコーヒー店、クラフトビールを販売するお店などに立ち寄ることがリフレッシュになっていて、今日は『2人にこれを作ろう』と思いながら、『俺はこれをツマミにしてビールを…』なんて考えるのも楽しみのひとつです(笑)。
3か月に1回くらい、ふたりは3泊程度のショートステイに行くので、その日は先輩や友人、同じ障がいを持つ親仲間で飲みに行ったりもしていますよ」













