「日経記者と仲良くして、あわよくば『リファラル採用』されたい」

最近、新聞業界でよく語られる“合言葉”のような言説がある。「日経の記者とは仲良くしたほうがいい」だ。

日経新聞は自社社員からの紹介で他社の記者経験者を採用し、紹介者の社員には最大50万円ほどの手当を出す「リファラル採用」を強化しているため、「日経の記者を飲みに誘ったり、取材先に関する豆知識を教えたりして、日経の記者に情報提供をしたり、交流を深めたりと面倒を見ている。あわよくば、給料が良くて生き残れそうな日経にリファラル採用してほしい」という記者が珍しくないのだ。

新聞業界は、会社の枠を越えて、記者同士の結びつきが強いことで知られる。政治家や警察幹部、官僚などをともに取材したり、一緒に記者会見に出席したりするうちに親交を深め、飲みに行くこともしばしばだ。それゆえにお互いの人柄や能力を把握しやすい。

日本経済新聞社(写真/shutterstock)
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日経側にとっても、人材紹介エージェントに対して相場の手数料である「採用者の年収の30~35%程度」を支払うよりも、自社社員に50万円を支払ったほうが安く済み、中途採用者の能力も担保しやすいというわけだ。

ある日経記者は「正直、いまだにパワハラ系の上司が一部では残っていることもあって、コンサルに転職する中堅・若手が多い。他社では40代前半が務めるまとめ役のポジションを、30代前半でやらされて疲弊するケースも目立ちます。それでも日経の給与水準は毎日新聞や時事通信の1.5倍以上ともささやかれ、30歳でも年収1000万円に近い。転勤もあまりないので、他社の記者にはうらやましがられて、移籍の相談を受けますね」と明かす。