看病する大人への感染にも注意

口の痛みが強いときは、酸味や塩分の強い食べ物、熱い料理を避け、ゼリーやプリン、冷ましたスープなど、刺激が少なく飲み込みやすいものを少量ずつ試すとよい。ただし、水分をほとんど受けつけない場合は、点滴が必要になる可能性もある。

さらに、夜間であっても救急外来を受診すべき症状がある。

「高熱が続く、何度も吐く、視線が合わない、呼びかけへの反応が鈍い、けいれんや体全体の震えが見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください」

手足口病は多くの場合、数日で回復する。しかし、まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重い合併症を起こすことがある。厚生労働省も、高熱が出る、発熱が長引く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速く苦しそう、水分が取れず尿が出ない、ぐったりしているといった症状を受診の目安としている。

感染を家庭や園で広げないためには、どのような対策が有効なのか。
「手足口病の原因となるエンテロウイルスは、一般的なアルコール消毒だけでは十分な効果が得られにくいウイルスです。大切なのは、流水と石けんによる丁寧な手洗いです」

感染経路には、せきやくしゃみによる飛沫感染、水疱や鼻水などに触れる接触感染、便に含まれたウイルスが手を介して口に入る糞口感染がある。

特に、おむつ交換やトイレの介助、鼻水を拭いた後は、石けんを使って十分に手を洗う必要がある。症状が治まった後も、便からは比較的長期間ウイルスが排出されるため、登園を再開した後も手洗いを続けることが重要だ。

「洗面所やキッチンのタオルを家族で共用することも避けてください。ペーパータオルを使うか、一人ずつ専用のタオルを用意しましょう」

看病する大人への感染にも注意が必要だ。大人は感染しにくいとされるものの、発症すると、手足の発疹に強い痛みが出たり、足の裏が痛くて歩きにくくなったりする場合がある。

「おむつを処理するときは、必要に応じて使い捨て手袋を使用し、外した後にも必ず手を洗ってください。子どもを守るだけでなく、看病する保護者自身を守るという意識も大切です」

子どもだけでなく大人も注意が必要(写真AC)
子どもだけでなく大人も注意が必要(写真AC)
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「手足口病」という名前から、手、足、口だけを確認して安心するのは早い。発疹が全身に広がることや、回復後に爪が剥がれる場合があることを知っておけば、突然の変化にも落ち着いて対応できる。

そして、発疹の数や見た目以上に注意したいのが、子どもの全身状態だ。水分を取れているか、尿が出ているか、呼びかけに普段通り反応するか。日々の小さな変化を見逃さないことが、重症化の兆候を早期に捉え、適切な受診につなげる第一歩となる。

取材・文/集英社オンライン編集部