受診を急ぐべきサインは「水分が取れない」

一般的な手足口病では、その名の通り、手のひらや足の裏、口の中などに小さな水疱が現れる。しかし、CA6による手足口病では、発疹がより広い範囲に出ることがあるという。

「お子さんによって症状の出方は異なりますが、CA6では、お尻や太もも、お腹、背中、さらには顔の周囲まで、大きな水疱や赤みが広がることがあります。保護者の方から『本当に手足口病なのですか』と驚かれることもあります」

見た目の激しさに戸惑う保護者は少なくないが、多くは時間の経過とともに自然に治まる。ただし、水ぼうそうなど別の病気との判別が必要になることもあるため、自己判断せず、心配な場合は通常の診療時間に小児科を受診してほしいという。

さらに、症状が治まった後に現れる変化にも注意が必要だ。

「手足口病が治ってから数週間から2カ月ほどたった頃、爪の根元に横線が入り、その後、爪が根元側から剥がれ落ちることがあります。これは『爪甲脱落症』と呼ばれ、CA6による手足口病の後に見られることがあります」

多くの場合、剥がれた爪の下には新しい爪が生えており、自然に伸びてくる。ただ、手足口病の症状が治まってから時間がたって現れるため、保護者が関連に気づかず、突然の爪の変化に驚くケースもある。

CA6による手足口病の回復後に爪甲脱落症が起こることは、国内外で報告されている。一方で、爪が剥がれたすべてのケースを手足口病によるものと断定できるわけではない。痛みや腫れ、化膿がある場合や、爪の変形が続く場合は医療機関への相談が必要だ。

手足口病には、ウイルスを直接退治する特効薬や抗ウイルス薬はない。治療は、痛みや発熱などを和らげながら回復を待つ対症療法が中心となる。
そのため保護者が迷いやすいのが、「どの段階で病院へ連れて行くべきなのか」という判断だ。

「発疹があっても、機嫌がよく、食事や水分が取れ、普段通りに遊べているなら、夜間救急へ駆け込む必要はありません。心配であれば、翌日の通常診療の時間帯に受診してください」

一方、日中でも早めの受診が必要なのが、口の痛みで水分を取れなくなった場合だ。

水分補給が困難になったら受診を急ぐこと(写真AC)
水分補給が困難になったら受診を急ぐこと(写真AC)

「口の中にできる水疱や潰瘍は強く痛むことがあります。水やお茶を嫌がり、ストローや哺乳瓶も受けつけない状態が続くと、脱水症になる危険があります」

特に注意すべきなのは、半日以上おしっこが出ていない、泣いても涙が出ない、口の中が乾いている、目がうつろ、ぐったりして元気がないといった症状だ。