虫嫌いを克服するには

──確かに、体感でも減っているように思います。

今年は特に、暑さが前倒しになったので、5月に夏だと勘違いした昆虫たちが早々と出てきて、その後また寒くなって死んでしまうようなこともあって……。

受粉する虫たちがいなくなったら、野菜や果物も食べられなくなりますし、森で(動物の)糞などを掃除する役割があったり……虫は本当にたくさんの役割を担っています。虫が減るということは、今後の人類がどうなるかという意味でかなり危ないことなんですけど、それに気づいている人が本当に少ないと思います。

──でも、虫が嫌いな人にいきなり「生態系が大事です」と言っても、なかなか届かないですよね。

そうですね。虫が嫌いって、とても生きづらいことだと思うので。娯楽からでもいいので、虫のことを知って、ちょっとでも克服してもらえたら、私がやってきていることの意味はあるんじゃないかなと思います。

足についた虫も払わず、そのままに
足についた虫も払わず、そのままに

──どうしたら虫嫌いを克服できるんでしょう?

私はずっと、苦手なものを克服するのは難しいと思っていたんです。でも、虫専用のアカウントやYouTubeを始めてから、コメントを見ていると「虫への苦手意識を克服できました」と書いてくださる方がいるんです。私の言葉とか、虫のことを知ってもらうことだけで、意識が変わることがあるんだなと思いました。

──ちゃんと知ることで、印象が変わる。

はい。無理に好きになってほしいというより、まず知ってほしいです。知らないまま嫌われていることが多いので。ちゃんと知ってもらえたら、好きになれる側面もあるんじゃないかなと思っています。

──虫の魅力を伝える活動を通して、最終的に目指すものはありますか。

「世界平和」です。大きく聞こえるかもしれないですけど、昆虫の魅力という入口から、自然環境が破壊されていくことや、昆虫の研究にお金が出ていないことにも目を向けてもらいたいんです。私がおばあちゃんになった時に、いま身近にいる虫にまた会えるような環境を守っていきたいと思っています。

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取材・文/キムラ 撮影/稲垣謙一