昆虫減少の背景にある、人間の“無知”
──東京の中でも、虫がいる場所にはグラデーションがあるんですか。たとえば僕の近所には井の頭公園があって……。
井の頭公園はめちゃくちゃよく行きます! とてもいい公園ですよね。冬は虫が少ないじゃないですか。でも井の頭公園には、フユシャクという冬にしか出てこない蛾がいるんです。メスには翅(はね)がなくて、変わった姿をしているんですけど、それが井の頭公園の川沿いに本当に多くて。冬になると虫好きはみんなあそこに集まるんです。すれ違う人が「あ、この人も虫好きだ」ってわかるくらい。
──そうなんですね。井の頭公園って人も多いので、虫好きが集まっているイメージはなかったです。
人が多いと生息しにくい面はあるんですけど、井の頭公園は落ち葉などを全部さらってしまわずに、そのまま残している場所も多いんだと思います。東京の公園って、自然っぽく見えても、落ち葉がきれいに片づけられていたり、虫にとってはあまりいい環境ではない場所もあるので。
──たとえば虫の中でも、ホタルはかなり特別扱いされていますよね。光っていてきれいだから、みんな好きというか。
ホタルだけが優遇されているというか、虫の中にもルッキズムみたいなものがあるのは不思議だなと思います。ホタルは逆に優遇されすぎて、養殖したホタルを放して観察するようなこともあるんですけど、あれは生態系にかなり悪影響を及ぼしていて……。
──え、そうなんですか。
ホタルは地域によって光り方のリズムが違ったりするので、繁殖干渉になって、本来そこにいた在来のホタルが数を減らしてしまうこともあるんです。何の悪意もなくやっていることが、生態系にかなり影響することがあるんですよね。
──よかれと思ってやっていることが、逆に生態系に悪影響を及ぼしてしまう。
そうなんです。虫って、どこに放してもいいと思っている人もいるかもしれないですけど、扱い方を知らないと、生態系に大きな影響を与えてしまいかねない。昆虫が減少している理由のひとつには、人が無知であることも大きいと思います。













