長友佑都が示した日本代表の覚悟
ただ、日本代表が掲げている目標は、ベスト8でもベスト4でもない。「優勝」である。
その言葉を本気で掲げるなら、どこかでブラジル、アルゼンチン、フランス、イングランド、スペインといった強豪国とぶつかることは避けられない。相手が早い段階で来ただけ、と考えることもできる。むしろ、優勝を目指すチームにとって「くじ運が悪い」という発想そのものが、過去の日本代表の感覚なのかもしれない。
JFA公式のTeam Cam映像では、オランダ戦後の選手ミーティングの中で長友佑都が、チームに向けて熱い檄を飛ばしている。
「本当にこの最高のチームで、(サポートとして帯同している吉田)麻也と(南野)拓実なんかはゴールの時の輪の中に入れない。そんな悔しい気持ちもありながらも終わった後に選手が使ったスパイク磨いてたんだよ、片付けたり。
そんなん、なかなかできないよ。普通じゃないから。本当に世界一の団結力やと思うから、このチームで絶対7月20日(決勝)まで。もう絶対残るから。途中で帰る気はないから、頑張りましょう」
長友の言葉は、単なる精神論ではない。4度のW杯を経験し、世界との差も、勝負どころの怖さも知っている選手が、今のチームに本気で可能性を感じているからこそ出てきた言葉だろう。
日本はもう、強豪国と当たるだけで満足するチームではない。ブラジル戦は「どこまで通用するか」を試す試合ではなく、「勝って次に進む」ための試合である。
確かに、山は険しい。負傷者もいる。相手は王国ブラジルだ。だが、涼しいヒューストンのスタジアム、温存できた主力、復帰の可能性を残す久保、そして歴史的勝利の記憶。日本には、不安材料と同じくらいの追い風も吹いている。
くじ運が悪いのか。それとも、日本が本当に世界一を目指すために避けて通れない道なのか。答えは、ブラジル戦の90分、あるいは120分の先にある。
スウェーデン戦後のインタビューでブラジル戦への意気込みを聞かれた長友はこう答えた。
「優勝目指してるから。もうどこが相手だろうが勝つだけなんで。やりますよ僕らは」
今の日本代表なら、ブラジルにも勝てるかもしれない。そう思わせるだけの積み重ねは、確かにこのチームの中にある。
取材・文/集英社オンライン編集部













