1失点で抑えたDF陣がMVP

――試合を振り返ってみていかがでしたか?

木崎伸也(以下同) まず今の日本の良さが出た試合かなと思います。しぶとく苦しい中でも我慢して守って隙を見せない。水漏れさせないことをコンセプトに、0-0が前提のような戦い方が、おそらくチーム全体に浸透していて、そのとおりに戦えたのかなと。

なので、一見うまくいかない試合でしたけども、前半を無失点で乗り切ったことがまず素晴らしかったです。

――そして後半早々に先制点が生まれました。

あのシーンでは、瀬古歩夢選手が試合を通じて初めて、3バックの右からオーバーラップして、菅原由勢選手の外側を追い越したことで、相手のDFも意識を引きつけられました。

菅原選手から堂安律選手、そして堂安選手から上田綺世選手に当てて落としたところを堂安選手がまたワンツーでもらって、前田選手にパスが出せました。あの連携は、まずは瀬古選手のセンターバックからのオーバーラップという勇気あるプレーができたから生まれたシーンだと思います。

そして瀬古選手がオーバーラップできたのも、田中碧選手がしっかりコミュニケーションを取りながら後ろをカバーしてくれたからなんですね。

更に、上田選手も堂安選手が前に当ててからスペースに入ってくるタイプのシャドウだということは分かっていたそうで。その上で試合前には前田選手と堂安選手が裏へ抜け出すパスについても話し合っていたそうなんです。

そう考えると、本当にいろんなコミュニケーションが結実したゴールだなと思います。

前田大然の得点シーン 写真/JMPA
前田大然の得点シーン 写真/JMPA

――しかし、その6分後には、失点してしまいました。

相手が2トップで来ると日本でも報道されていましたが、メンバー表が配られた時点で3トップで来ることがわかり、選手たちが話し合って対応を決めたそうです。今回のMVPはDFライン全員だと思いますね。

ギョケレシュ(アーセナル)、イサク(リヴァプール)、エランガ(ニューカッスル)という相手の3トップはやはり相当レベルが高かったです。プレミアリーグでもトップクラスのアタッカーたちを、1失点に抑えたっていうのは、非常に評価できると思います。

板倉滉選手が途中で交代しましたけども、谷口彰吾選手が代わりに入って、あと最後、渡辺剛選手も入ってきて。代わった人も含めてディフェンスラインが良く持ちこたえたなと。それは評価すべきですかね。