強豪撃破へ日本代表に残された勝機
まず、決勝トーナメント1回戦の開催地がヒューストンであることは、日本にとって小さくない追い風だ。日本代表のキャンプ地であるナッシュビルから比較的移動負担が少なく、時差や環境変化の影響を最小限に抑えやすい。
加えて、会場は空調の効いたスタジアム。北中米W杯では各地の暑さや湿度が選手の消耗に直結しているが、涼しい環境で試合に入れることは、走力と組織力を武器にする日本にとって大きい。
スウェーデン戦で主力の一部を温存できたことも見逃せない。冨安健洋、佐野海舟らは、ブラジル戦を見据えたうえで状態を整えられる可能性がある。特に冨安の存在は大きい。ブラジルの強烈なサイド攻撃や、中央に侵入してくるアタッカーを止めるには、対人守備、カバーリング、ビルドアップのすべてで高い水準が求められる。冨安がどこまでプレータイムを伸ばせるかは、日本の守備設計を大きく左右するだろう。
佐野もまた、中盤の強度を保つうえで重要な存在だ。ブラジル相手にボール保持で上回る時間を長く作ることは簡単ではない。だからこそ、奪われた直後の切り替え、セカンドボールの回収、相手のカウンターを遅らせる守備が重要になる。そこで佐野の機動力と球際の強さが生きれば、日本は一方的に押し込まれる展開を避けられる。
そして、久保が戻ってこられるなら、攻撃面の選択肢は一気に広がる。ブラジルの守備を相手に、ただ耐えるだけでは勝利は見えない。相手のプレスを外し、ファウルを誘い、数少ないチャンスを決定機に変えるには、狭い局面で違いを作れる選手が必要になる。久保の左足は、その意味で日本の希望そのものだ。
もちろん、ブラジルに勝つことは簡単ではない。過去に一度勝ったからといって、同じことが繰り返せるほど甘い相手ではない。W杯本戦のブラジルは、親善試合とは違う集中力と勝負強さを見せてくるはずだ。前回対戦で日本が見せた勇敢な守備、後半からの修正力、そして一気に試合をひっくり返す爆発力を、さらに高いレベルで再現できるかが問われる。













