ドリンクホルダーのモバイルバッテリー発火…テスラが廃車に

5月20日、SNS上で、おのだ氏が、愛車であるテスラが完全に廃車になった経緯を、悲痛な思いとともに報告している。

愛車が廃車になった原因は、機械式駐車場に停めていた車内のドリンクホルダーに置いていたモバイルバッテリーの発火であった。

充電ケーブルに繋いでいたわけではなく、単に置いてあっただけの使用歴1年4カ月の製品が突然燃え上がり、美しい座席を真っ黒に焼き尽くし、頑丈なフロントガラスを熱で割り、高価な電気自動車を完全に破壊した。

駐車場に車を停めている間は車内が無人であったため人的被害が出なかったことや、テスラのバッテリーに引火しなかったことは不幸中の幸いだ。

車内という逃げ場のない空間で、もし運転中であったなら命を落としていた可能性も十分にあり得た。テスラには莫大な量のバッテリーが搭載されており、引火すれば機械式駐車場そのものが破壊されていたことだろう。

地下鉄でも相次ぐ突然発火

電車でもさらに恐ろしい事態が続発している。

1月21日には、東京メトロ日比谷線の車内で乗客の所有するモバイルバッテリーが突然発火し、電車の運転が一時停止して3.6万人の足に多大な影響を及ぼした。続く2月上旬にも都営新宿線で同様の発煙騒ぎが起き、1.8万人がダイヤ乱れの影響を受けている。

「安価で粗悪なモバイルバッテリーは爆弾と同じ」韓国・TLX社CEOが警鐘…ドリンクホルダーで発火→テスラ廃車の衝撃_1
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狭い車内で火の手が上がれば、大勢の命が危険にさらされる。誰もが日常的にポケットやカバンに入れている大変便利な道具が、ほんの一瞬にして周囲の命を脅かす凶器に変わる。

満員電車で隣に立つ見知らぬ乗客のカバンの中にも、爆発の危険性を秘めたバッテリーが入っている可能性は十分にある。毎日の通勤通学の時間は、気付かないうちに危険と隣り合わせの時間となっているのである。

カバンから煙が上がり、周囲の乗客が悲鳴を上げて逃げ惑う光景は、もはや映画の中のフィクションではなく、明日の朝に起きるかもしれない現実の出来事なのである。

リチウムイオン電池が一度発火すると、なぜ被害がここまで大規模に拡大するのか。

最大の理由は、燃え上がる火に外から水をかけても簡単には消えない特性にある。電池の内部には可燃性の高い液体の成分が密閉されており、一度内部ショートを起こして発火すると、熱暴走と呼ばれる止めることのできない連鎖反応を引き起こす。

表面の火を大量の水で一時的に消したように見えても、電池内部の温度は最大でセ氏1500度(マグマの温度が約800〜1200度。鉄がドロドロに溶け始める温度)まで上昇しており、わずかな時間が経過するとすぐに再び激しく燃え上がるのである。

安全な状態に戻すための消火には、通常の火災の何十倍もの大量の水と、途方もなく長い時間をかけた冷却活動が必要となる。テスラなどの大型電気自動車が炎上した場合、完全に火を消し止めるまでに10トンの水(テスラの公式発表のカタログ値。実際には90トンの水が必要という関係者もいる)が必要になる。

リチウムイオン電池火災に特化した特殊な消火剤の実演
リチウムイオン電池火災に特化した特殊な消火剤の実演