逆転無罪
2018年9月、控訴審の第1回公判。満席の傍聴席を背に、私は次のような弁論をした。
これは、ひとつの職業の存続をかけた裁判です。
原審、大阪地裁の判断は、この国から、彫師という職業を葬り去るものでした。彫師たちに突き付けられたのは、この誤った、過酷な結論と、それを受け入れさせるには、あまりに乏しい、わずかな理由だけでした。
連綿と受け継がれてきた歴史。
彫師という職業は日本で何百年もの歴史を持ちながら、ある日突然「犯罪行為」として裁かれることになり、2017年に行われた大阪地裁では違法行為と認定され、彫師に罰金支払いを求める判決が下された。だが弁護士・亀石倫子氏らは諦めなかった。
書籍『はじめての公共訴訟社会を動かす、私たちのツール』より一部を抜粋・再構成し、民主主義的な議論もないまま、法の解釈によって職業の存続を脅かす危険性、そして勝ち取った無罪判決の理由を記す。
2018年9月、控訴審の第1回公判。満席の傍聴席を背に、私は次のような弁論をした。
これは、ひとつの職業の存続をかけた裁判です。
原審、大阪地裁の判断は、この国から、彫師という職業を葬り去るものでした。彫師たちに突き付けられたのは、この誤った、過酷な結論と、それを受け入れさせるには、あまりに乏しい、わずかな理由だけでした。
連綿と受け継がれてきた歴史。