業績好調なのに、なぜ町田店は閉店するのか

象徴的なのが渋谷店だ。タワーレコード渋谷店は2026年2月にフルリニューアルオープンし、「THE GLOBAL MUSIC HUB.(世界の音楽を繋ぐ発信基地)」を掲げた。公式サイトでは、B1Fをインストアイベントの聖地、4Fを推し活フロア、5FをK-POP空間、6Fを日本最大規模のレコード専門フロアと位置づけている。もはや大型CDショップは、音源販売店というより、音楽・ファン文化・イベント・物販を束ねるリアルなメディア空間になっている。

では、全体が好調なのに、なぜ町田店は閉店するのか。町田店単体の収支は公表されていない。ただ、約190坪・在庫約6万枚という規模の店舗である以上、賃料、人件費、在庫、イベント運営、商業施設内での集客力などが採算判断に影響した可能性はある。

タワーレコード全体が好調であればこそ、より強い大型旗艦店、専門性の高いアナログ店、EC、イベント機能に経営資源を寄せる判断が起きやすいだろう。

つまり町田店の閉店は、「タワレコの不振」というわけではない。むしろサブスク時代に生き残るCDショップが、どの場所で、どの規模で、どんな体験を提供するかを選び直している過程と見るべきだ。

今回の閉店理由についてタワーレコード本社の広報担当者は、集英社オンラインの取材に対し、

「あいにく現時点でお答えできる情報が限られており、適切な回答を用意することが叶わない状況です。今後も町田エリアへの出店は検討してまいりますので、ご注目いただけますと幸いです」

と回答した。音楽を聴く場所はスマホの中に移った。しかし、音楽を好きになる場所、誰かを応援する場所、同じ熱量を持つ人と出会う場所は、まだ街に必要とされている。

町田店の閉店は寂しいニュースである一方、タワーレコードが単に「CDを売る店」から「音楽体験を提供する店」へ変わり続けていることを示す出来事でもある。

タワーレコ-ド(写真/shutterstock)
タワーレコ-ド(写真/shutterstock)
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取材・文/集英社オンライン編集部