紹介されたのは「とんでもない物件」

また、ある60代の女性は、知人の好意で都内の低家賃の賃貸物件に十数年間暮らしてきた。

築古だが近隣関係も良好で、職場へのアクセスも良い。ゆくゆくは転居をと考えていたが、ここ数年周辺の家賃相場は高騰し、そのタイミングを逸していた。

ほどなくして知人から、不動産の整理をしたいと相談があった。転居先を探すも、どこの不動産会社も相手にしてくれないと嘆いていた。

居住支援の現場に行くと、このような話は掃いて捨てるほどある。

ならば、居住支援法人に住宅の確保を手助けしてもらえばどうか。実は、居住支援法人の勉強会などに顔を出すと、集まった人たちがこぞって、単身高齢者の住宅確保に頭を悩ませている。また、物件が紹介されたとしても、その質は保証できない。

ある60代の女性が定年を機に持ち家を売却、自家用車を手放して、駅近の賃貸住宅に移ろうかと不動産会社を訪れた。しかし、身寄りがないためか、けんもほろろに追い返されたのだという。

役所に相談に行くと、居住支援法人を紹介された。貯金も厚生年金の額もそこそこある。すぐに適当な住宅が見つかるだろうと高を括っていた。

そこで、いくつかの候補が出てきたが、老朽化した木造ハイツの一階や、築古の狭小住宅など、彼女に言わせれば「とんでもない物件」で、内見もそこそこに帰宅したという。

候補に出てきたのはひどく老朽化した木造ハイツの一階などだった(写真はイメージ/shutterstock)
候補に出てきたのはひどく老朽化した木造ハイツの一階などだった(写真はイメージ/shutterstock)