持ち家か賃貸住宅か――高齢期を幸せに暮らすには
巷でよく話題となるのが、高齢期の住まいとして安心なのは持ち家か賃貸かという議論である。
人間のライフスタイルは極めて多様であり、一概にどちらが「正解」と言えるものではない。
それでも多くの中高齢者の話に耳を傾け、その内容を総括すると、高齢期に誰にも脅かされることなくそこに住み続けることができるという点において、少なくとも現時点では、持ち家住まいに軍配があがると言わざるをえない。
例えば、ある70代の女性は、長年民間賃貸住宅に暮らしてきた。
居住年数は30年強。物件は老朽化し、ある日を境に、トイレが詰まるようになった。オーナーに相談しても、修繕に応じてもらえなかった。
修理業者を呼び、自らできることはすべてやってみたが、配管の取り換えなど、大掛かりな工事にはオーナーの承諾がいることがネックとなった。
70代かつ単身となると、転居先も見つからない。結局は、近所の24時間営業のスーパーで用を足すということが続いた。
その後体調を崩し、このままでは生活が立ち行かないとオーナーに再度修理の相談をしたところ、退去をほのめかされ、口をつぐむしかなかったと涙を流していた。













