高齢者が自殺してしまう原因

もう一つは老人の自殺という問題がある。

これも私の確固とした考えの一つなのだが、老人の場合、自殺と言うが、自殺ではない。自分で自分の命を絶つから、たしかに自殺になってしまうが、その動機は十分すぎるほど他殺である。

なぜか。

たとえば自殺した老人は自分の息子たち夫婦と一緒に生活している。ところが、その身内から一人だけ疎外されている。

家族から疎外感を感じてしまい自死を選ぶ人も(写真はイメージ/shutterstock)
家族から疎外感を感じてしまい自死を選ぶ人も(写真はイメージ/shutterstock)

年寄りは体力もないし、収入もない。弱者で、若い人たちの負担になっていて、疎外されてしまう。長く生きてきた老人にとっては、信頼する身内から疎外されることに耐えられないほどの孤独を感じるのである。

家族がもっと温かい対応をしていさえすれば、死なずにすむことがいかに多いか。

その孤独に耐えられなくて自殺する。それはむしろいじめに近い。だから大きな視点で見れば、殺人事件と見られなくもないのだ。

これはいじめによる子どもの自殺と同じ構造になる。子どもは学校へ行きたくない。学校へ行けばみんなから一人だけターゲットにされ、意地悪をされてしまうから足が遠のく。それを両親に訴える際に、子どもは表現力に乏しいから、ただ「学校へ行きたくない」と言う。親は何とか学校に行かせようと、口先だけで、本人の気持ちも考えずになだめすかしたりするだけなのだ。

親がしっかりした対応を取っていないから、学校へ行かないどころか、最悪の結末を迎えることだって起こり得る。