ラグジュアリとは何か

読者のみなさんは「ラグジュアリ」とは、シャネルやエルメスのような超高級ブランドのこと、と考えるかもしれません。

しかし、「ラグジュアリ」は、単に高価なモノを指す言葉ではありません。

フランスのマーケティングの権威、ジャン=ノエル・カプフェレ教授は、『ラグジュアリー戦略』(2011年)や『カプフェレ教授のラグジュアリー論』(2017年)等の著書の中で、ラグジュアリの定義やマーケティング手法を独自に掘り下げています。

ラグジュアリの起源は18世紀までさかのぼります。

哲学者のヒュームは、ラグジュアリと道徳を切り離して、「いいモノを楽しむのは悪いことじゃない」と論じました。

哲学者のデビット・ヒュームの像(写真/Shutterstock)
哲学者のデビット・ヒュームの像(写真/Shutterstock)
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つまり、ラグジュアリは「いいモノを楽しむこと」であり、これがポジティブな贅沢の始まりといえます。

19世紀になると、産業革命で生活水準が上昇し、より多くの人が贅沢を楽しめるようになり、特に女性たちの間でラグジュアリが浸透していきました。

カプフェレ教授は、これを「平和主義者の女性社会」と呼びました。カプフェレ教授は、ラグジュアリには「依存症的な効果」があるとも言っています。

たとえば、ドン・ペリニヨンのシャンパーニュやエルメスのバッグを体験した人が、もう普通のシャンパーニュやバッグに満足できなくなるといった現象です。

この「戻れなさ」が、ラグジュアリ・ブランドの強さでもあります。