タンブラー破壊デモまで発展した“スタバ騒動”
問題になったのはスタバが5月18日から始めた「タンクデー」と称したキャンペーンだ。
この日は1980年に南西部・光州で始まった民主化要求を当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)政権が武力で鎮圧した事件が起きた日だ。
事件では160人超が殺害されたことが確認されているが、現在も犠牲者の規模はわかっていない。
「李大統領は5・18民主化運動記念日の式典に出席し、事件の記憶を憲法前文に盛り込む必要性を訴えました。
1987年まで続いた軍事独裁政権の打倒闘争を主導してきた民主化勢力の流れを汲む大統領や、与党『共に民主党』が重視するその日を、スタバが『戦車の日』と名付けたことに批判が噴出しました」(全国紙特派員)
さらにタンブラーの宣伝文句に「机にドン!」というフレーズがあったことが問題になった。
「韓国では1987年1月、民主化運動を弾圧していた治安本部(現在の警察)が、ソウル大生の顔を水槽に押し込む水拷問をして窒息死させる事件が起きました。
この時、治安本部は『机をドン!と叩いたらウッと言って死んだ』とめちゃくちゃな言い訳をし、後に真相が暴かれました。
これが抗議デモに火を点け、同年6月の軍事独裁の終焉につながりました。
この二つの言葉で(キャンペーンが)民主化運動を揶揄しているのは間違いないと受け止められました」(同)
韓国では2024年12月に当時の尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領が戒厳令を宣布し、軍が国会占拠を試みた。
しかし光州の事件で市民に銃を向けたことで長く批判にさらされた軍部隊は、抗議した市民への発砲をためらって鎮圧に失敗。
尹大統領が失脚した後に大統領に就いたのが李大統領だ。
スタバに対して激怒した大統領は18日、光州の式典から戻ると、
〈大韓民国の共同体と基本的人権、民主主義の価値を否定する、こんな下劣な商売人の非人道的末期的行為に憤怒します。
当然、これに見合う道徳的、行政的、法的、政治的な責任を取るべきです。〉
とSNSにポストし、韓国では同日夜から不買運動が拡大した。
「政府の閣僚が行政イベントからのスタバ排除を次々宣言したり、デリバリーの配達員らが参加する労組が配達拒否を宣言したりしています。
市民団体がスタバのタンブラーやマグカップを叩き壊したりする記者会見も行なわれ、普段週末はどこも満席のスタバは先週末、閑散としていました。
スターバックスコリアは日本でも知られる新世界百貨店を配下にもつ新世界グループの一員で、グループの他の会社の株価も下落しています」(韓国記者)













