”正当な医療行為ではない”静脈注射
治療翌日(24日)、自分が取材を受けなかったサンケイスポーツにこんな見出しの記事が載っていたことが判明したのである。
「我那覇に秘密兵器 にんにく注射でパワー全開」
続いて以下の本文が続く。
「25日のアジアCL1次リーグ第4節を前にした23日、―中略―ホームで全南戦を控える川崎はFW我那覇和樹(26)がにんにく注射を打ってゴールを狙う。
全南戦に向けて、川崎FW我那覇が相手のお株を奪う秘密兵器を投入。練習後、疲労回復に効果があるにんにく注射を打って大一番に備えた。『連戦だし、やって損はない。におうからあんまり近づかない方がいいですよ』」
この記事がJリーグのドーピングコントロール(DC委員会)で問題になり、川崎フロンターレに通達がなされ、ACL出場自粛という流れになったのである。この記事だけを見れば、確かにドーピング禁止規程に抵触するものであった。
Jリーグは禁止規程についてWADA(世界アンチ・ドーピング機構)が定める定義と同一としており、そのWADAの2007年の規程「PROHIBITED METHODS M2.2(禁止方法2条2項)」には、「Intravenous infusions are prohibited, except as a legitimate medical treatment.(静脈内注入は、正当な医療行為を除いて禁止される)」と明記してある。
疲労回復のために健康体に打つにんにく注射は、正当な医療行為ではない静脈注射ととれるので、報道を見たJリーグのドーピングコントロール委員会が問題視したのである。
文/木村元彦
争うは本意ならねど(集英社公式サイトhttps://books.shueisha.co.jp/cbs/c2082/c290-26384/にて26年5月6日まで無料公開中)













