頭を働かせるために、頭を空っぽにする

精神科の外来診療をやっていると、現代人は本当に情報に振り回されているなと思わされます。

例えば脳梗塞という病気を例に取りましょう。

この脳梗塞。

代表的な「心配をもたらす症状」に、めまいと吐き気があります。

まずこの「めまい」という症状について。

人間は「動脈」の血流量と「静脈」の血流量が大体同じだと、何も症状が起きません。
ところが何らかの緊張を感じると、筋肉が緊張し事態は変わります。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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身体の中心部を通る動脈と違って、静脈は筋肉の間を出たり入ったりしています。

ですから、緊張した筋肉に圧迫されると、当然つぶされて、血流が悪化するのです。そうなると静脈を通れない血液の一部は心臓に戻ろうとする時、リンパ管を通らざるを得ません。

これが耳の周囲で起こると軽めの「内リンパ水腫」と呼ばれる現象となり、めまいや耳鳴りの原因となるというわけです。

ところが、めまいや耳鳴りが起こると、なまじテレビで仕入れた知識があるので脳梗塞ではないかと多くの人が心配されます。

もちろん脳外科に行ってCTを撮っても「異常なし」の判断。ところが今度は症状の原因が特定できないことに余計に不安は募り……。

その結果、筋肉が緊張して、まためまいが起こるという悪循環を繰り返してしまうのです。