上野賢一郎厚労相「必要な受診が抑制されることは想定していない」
こうした負担増で最も憂慮されるのが冒頭で天野理事長が指摘した「受診控え」だ。
政府は改定で年2450億円の給付削減を見込む。患者や医師団体が不信を募らせるのは、このうち1070億円は医療費負担上昇に伴う受診控えが生み出すと政府が計算しながらそれを認めないことだ。
上野賢一郎厚労相は「今回の見直しで最終的に実効給付率が約0.28%低下すると見込まれている。実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果の算定式に機械的に数値を代入すると給付金の変化(減少)が約1070億円の減となる」と説明する。
だが同時に「長期療養者や低所得者に十分配慮しており、必要な受診が抑制されることは想定していない」とも主張するのだ。
そのようなことがあり得るのか。
保団連の患者調査では高額療養費制度利用経験者1328人のうち65.7%の872人が「負担限度額引き上げなら受診の間隔を延ばす、見送る」と答えている。これは低所得者層だけの話ではない。
世界保健機関(WHO)は所得から税金・保険料と生活費を差し引いた「支払い能力」のなかで、医療費の支払いが40%超の状態を「破滅的医療支出」と呼び、家計の破綻を警告する。
3月の衆院予算委にも呼ばれた天野理事長は、安藤道人立教大教授の研究を基に、今回の改定で負担が増えれば、患者が年収を維持できても「ほとんどの年収区分で40%を超える」と指摘した。













