伊達政宗が浮気相手へ送った手紙

あの「独眼竜」と呼ばれた伊達政宗にも男性の恋人がいた。

相手の只野作十郎に宛てた書簡が仙台市博物館に残っている。こちらも浮気に関連する揉め事の手紙だ。

「どうかこれで赦してほしい」伊達政宗は意中の男に情けない手紙を綴っていた(写真/shutterstock)
「どうかこれで赦してほしい」伊達政宗は意中の男に情けない手紙を綴っていた(写真/shutterstock)
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政宗は作十郎と恋愛関係にあったが、あるとき政宗は作十郎がほかの男と浮気をしたと疑い、酒の席でひどく罵った。これにショックを受けた作十郎は、自分の腕を脇差で傷つけ、身の潔白を誓う起請文に血判を押して政宗に送りつけてきたのである。これに対する政宗の返信が現存している。意訳して紹介しよう。

「すまん。酒の席でお前に何を言ったのか、まったく覚えていない。でも、どうしてもお前のことを諦めることができない。なぜ腕を傷つけて血判など押したのか。もし私がその場にいたら、抱きとめてもやめさせたものを。お前の真摯な気持ちに対し、私も股や腕を傷つけなくてはならないと思っている。けれど私は孫を持つ身。そんなことをすれば、『いい年をして』と陰口を叩かれ、子や孫の恥になる。だからグッと我慢している。私も部下が見ているところで起請文を書いて血判を押したので、どうかこれで赦してほしい」

戦国武将の衆道(男色。若衆道の略)は一般的だとは知ってはいても、孫を持つ政宗が、こういった手紙を男性の恋人にしたためていたというのは興味深い。

戦国武将は戦がないとき、何をしていたのか
河合敦
戦国武将は戦がないとき、何をしていたのか
2026/2/12
1,078円(税込)
254ページ
ISBN: 978-4591188477

戦うだけが仕事じゃない! 
戦国武将も、現代人と同じ悩みを抱えていた。武田信玄は浮気を弁解、織田信長は正倉院の宝物である香木を切り取り、伊達政宗は恋に泣き、高山右近は地位よりも信仰を優先し、茶の湯で政治を操り、南蛮料理に夢中になり、人身売買で財力を築く。戦場以上に熱い、濃厚なドラマを暴く。

・伊達政宗は教育パパ
・武田信玄、浮気を弁解する
・部下にやる気を出させる加藤清正の采配
・君主から転職の邪魔をされる
・織田信長と森蘭丸の性愛関係は嘘
・イルカ・猿・熊・狸など、新しい食べ物に飛びつく
など、戦国武将の仕事からオフタイムまで、知られざる素顔をのぞく!

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