「事故による一部世論の反発が最高裁判断に影響しないか…」

辺野古新基地建設工事を巡っては、2019年の県民投票(有権者に占める投票率52・48%)でも「反対」への投票が70%超を占めるなど、県民の間で賛否が分かれている現状がある。

高校生の未来を結果的に奪ってしまった事故の責任は厳しく問われるべきだが、今回の事故によりネット上では反対運動そのものを否定する声が高まりを見せており、反対運動に関わる人たちや基地建設に忌避感を抱く県民の間には「基地反対の声がかき消されてしまうのでは」との危機感も漂っている。

「辺野古の新基地建設工事については、埋立工事の承認を巡る県と国との裁判が2015年に当時、翁長雄志氏が知事を務めていた県に対して国が起こした訴訟を皮切りに計14件の裁判がありました。いずれも県の敗訴に終わりました。

一方で、県が起こしたものとは別に住民が国を相手に起こした抗告訴訟もあり、こちらは2024年5月に二審の福岡高裁那覇支部が『原告に法律上の利益がない』などとして原告側の訴えを退けた一審判決を破棄し、審理を一審に差し戻す判決を下して住民側の望みをつないでいるのです」(地元の法曹関係者)

同志社国際高校(HPより)
同志社国際高校(HPより)

訴訟は、住民側の「原告適格(原告となる資格)」を認めた高裁判断について、被告となっている国の上告を受理とするか不受理とするかの最高裁の判断待ちの状態にあり、今後の反対運動の帰趨を占う上でも注目されている。

ただ、今回の事故を受けて反対運動への逆風が強まるなか、「事故による一部世論の反発が最高裁判断に影響しないかという懸念が強まっている」(同)のだという。

「仮に最高裁が国の上告を受理すれば、高裁判断はひっくり返り、原告の訴えが一審判決に続いて退けられることになります。原告団の中には今回、事故を引き起こしたヘリ基地反対協議会のメンバーも加わっているため、その危惧はさらに強まっています。

最高裁の判断次第では、反対運動が文字通り、完全に行き詰まることになってしまう」(前出のメディア関係者)

長らく沖縄の政治課題となってきた「辺野古」が社会の後景に追いやられてしまうのか否か。重大事故の検証とともにその趨勢にも注目が集まっている。

辺野古の埋め立て(写真/PhotoAC)
辺野古の埋め立て(写真/PhotoAC)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班