「実は助成金(請求)手続きの実務は私が担当していました」関係者の証言
坂川容疑者夫婦は事業を拡げていたようで、旅行会社の事務所入り口には不動産業と飲食業の会社の看板のほか、二つの一般社団法人や三つのNPO法人など団体の表示も掲げられている。SNSには銀座にある高級日本料理屋の写真も現れる。
「馨さんは本当にやり手の経営者だったと思います。中国人コミュニティがとにかく広い。インスタに出ている高級料理店は2019年1月に開業して月々の賃料が100万円もします。山中湖の旅館もあり…。とにかく手広く商売を広げていました」
坂川容疑者の“手腕”をA氏はそう評する。だが、
「助成金をもらうようになってからは傍目にも経営の運営が随分と楽そうになっているように見えましたね」
と気になる言葉も口にした。
事業拡大の元手もだましとった助成金だったのではないのか。A氏は事件の核心に迫る証言と弁解もした。
「実は助成金(請求)手続きの実務は私が担当していました。馨さんらの指示です。当時は中国人ツアー向けのガイドさんを50~60人抱えていたんです。
コロナで旅行がパタリと止まって、彼らの仕事が完全になくなったのは事実です。雇用保険にもちゃんと加入させていたから、うちで抱えている社員を守るための『正当な受給』だと信じて疑わなかった。
まさか裏で人数を水増ししていたなんて思いもしませんでした。時期は曖昧で覚えていません」(A氏)
だまし取った助成金があったから事業は回っていたのだろうか。
最後の不正受給があったと疑われる時期の直後に当たる2023年2月、旅行会社は板橋区役所に近い商店街から今の中央区日本橋に移転している。その板橋時代の坂川容疑者の事業を商店街関係者Bが証言した。
「彼女とご主人は10年よりもっとずっと前に商店街に来て、もともとうなぎ屋があった店舗に入って居酒屋風の焼き鳥屋を始めたんです。味はまあ普通かな。店はさびれてはいませんでしたね。
私も何回か行きましたが、常連になった友人は彼女から『私はモンゴルの方から出てきて、私はテレビ局の社長の娘だからお金はあるの』って聞いたと言ってました。たしかにその時から装飾品はジャラジャラって感じでした。
焼鳥屋は何年かでやめ、その後いろんな会社や団体の名前がポストに書かれた事務所になりました。
コロナのころかな、大勢の中国人を集めて、旅行業のノウハウか何かを教える講習会のようなものを開いたみたいで、案内の看板が立っていたことがあります。社員数?ご主人以外に3、4人くらいしかいなかったと思うよ」(Bさん)













