「あー! ヤングケアラーのお父さんじゃ」

木藤さんの息子は母からの教えを素直に受け取った。だが学校には阿部一家と交流がない家庭も多い。

取材中、父の恭宏さんと共に学校へ長男のお迎えに付き添ったのだが、人懐っこそうな男児が恭宏さんにからんできた。

「あー! ヤングケアラーのお父さんじゃ」

「なんでそんなことを言うの?」と聞くと、とその男児はこう答えた。

「TikTokでヤングケアラーって流れてきたけえ、おかんにヤングケアラーってなんじゃって聞いた。そしたら勉強とか遊んだりする時間がなく家の手伝いさせられてる子どものことっだて聞いた。僕はまあ勉強せんでええんじゃったら羨ましい」

料理の準備をする阿部さん夫婦(撮影/集英社オンライン)
料理の準備をする阿部さん夫婦(撮影/集英社オンライン)

男児に悪意はないようにみえる。長男の周囲には多くの友達が集まっており、さすが生徒会長をしているだけあって慕われているようだった。

だが、長男は1月29日は学校には登校したものの保健室で1日を過ごした。何があったのか。

「教室に行くとみんなが『大丈夫なの』って聞いてくるし、先生まで23日から毎日『変化はあるか』とかって聞いてくるから、そうやって聞かれるのが嫌だなって。心配されてるのがやだなって。大丈夫なのって聞かれると俺は大丈夫じゃないんかって思っちゃう」

長男に「今回の炎上で一番嫌なことは何か?」とも聞いた。

「お父さんとお母さんが炎上夫婦って言われたりするのがすごく嫌だ」

撮影自体は楽しかったのかと聞くと「楽しかった」と一言。せいやの印象について聞くと、いかにも子供らしい素直なコメントが返ってきた。

「せいやさんは忙しいから、ずっと疲れてそうに見えた。『大人になんなよ』って言葉の意味もよくわかんなかった。抱っこされたのも恥ずかしかった。撮影は楽しかったけど…」

また、番組内では次男や長女が「兄だけでなく僕らも手伝いやってますけど」というようなアピールをしたとも言えるシーンがあった。次男は「ご飯ができて配膳するのは僕やるし」と言い、長女は「お兄ちゃんよりも私の方がミルクを作るのが上手いよ!」と記者に訴えた。

記者も目撃したが、実際に阿部家は長男だけでなく兄弟が競って家のお手伝いをしていた。

洗濯だけでも1日がかりだという(撮影/集英社オンライン)
洗濯だけでも1日がかりだという(撮影/集英社オンライン)