上野姉妹が語る「ゆうきゅう戦」という舞台
──まずは、本日の大会を振り返って、率直な感想を聞かせてください。
上野愛咲美(以下、愛咲美) まずは「ゆうきゅう戦」に出場できて、とても嬉しかったです。私は張栩九段とペアを組ませていただきましたが、世界一にもなられたことがあり、長年トップで戦ってこられた方なので、隣にいてくださるだけですごく心強かったです。対局姿勢もかっこいいなと、改めて感じました。
上野梨紗(以下、梨紗) 私も、現代日本囲碁界の第一人者で、2018年に国民栄誉賞を受賞された井山裕太碁聖とペアを組ませていただいて、本当にすごい方だなと感じながら打っていました。決勝では姉のペアと当たってしまって……。こちらも素晴らしいペアだったと思っている分、悔しさは大きかったです。
──普段、ペア碁を打つ機会はどのくらいあるのでしょうか?
愛咲美 公式の棋戦としてはほとんどないですね。研究会の終わりなどで、少し楽しく囲碁を打ちたいときに、ペア碁を打つことはあります。
梨紗 大会として本格的に打つペア碁は、この「ゆうきゅう戦」と「プロ棋士ペア碁選手権」くらいだと思います。
──今日を迎えるにあたって、準備やトレーニングはされましたか?
愛咲美 13路盤なので、19路盤よりも一手一手が大事になります。だから詰碁をやったり、睡眠をしっかり取ったり、基本的なことを意識して臨みました。あと張栩先生のお宅に呼んでいただいて、実際にペア碁の練習もさせていただきましたね。
梨紗 私は先生が大阪にいらっしゃることもあって、なかなか練習ができなくて……。それが今回の敗因かなと思っています(笑)。
──ペア碁ならではの難しさや面白さは、どのように感じていますか?
愛咲美 やはり相手の手だけでなく、味方の手も予想しないといけないところが難しいです。自分が描いていた図とズレることも多いので、そのときの心の保ち方はかなり大事で。「えっ!」と動揺していると、そのままスルッと負けてしまうこともあるので、「それもありか」とすぐに切り替えるようにしています。
上野梨紗 今日の決勝も姉の1手で、ほかの3人の思考が一気に崩れた場面がありました。私を含め、「なんでそこ?」と全員がびっくりしていたと思います(笑)。
上野愛咲美 狙っていなかったんですけどね(笑)。そう言われることは多いです。
──決勝で姉妹対戦が実現することになったとき、心境の変化はありましたか。
梨紗 私はあまり変わらなかったです。ただ、最近姉に対して負けが続いていたので、そろそろ挽回したいという気持ちはありました。
愛咲美 張栩先生が隣にいてくださるので、とても心強かったです。序盤にいい流れが作れたときに、「これは負けたくない碁になってきたな」とは思いました。
──最後に、「ゆうきゅう戦 JUNKOKOSHINO CRYSTAL CUP」は、お二人にとってどのような大会でしょうか。
愛咲美 まず会場や衣装など、普段の対局ではなかなか経験できない環境で打てることが嬉しいですね。着付けもしていただいて、衣装もコシノ先生のデザインで、普段はまず着る機会がないのでとても貴重な体験です。トロフィーや記念品もすごく素敵で、昨年妹が優勝していろいろ持ち帰ってきていたのを見て、いいなと思っていたんです(笑)。
梨紗 素敵な舞台だというのはもちろんですが、大会が終わったあとに、いろいろな方と直接お話できるのも嬉しいです。囲碁をやっていなかったら出会えなかった方々と直接お話しできることは、本当にありがたいことだなと感じています。













