「ラクレスを殺さない」――最後まで粘り切った選択
――当時を振り返って、思い入れのある回はありますか?
高野 自分の中で一番頑張ってよかったなと思うのは、終盤のラクレス回ですね。あそこはずっと書きたかったんです。何より、「ラクレスを殺さない」っていう選択ができたのは、粘り勝ちだったなと思います。
実はずっとギリギリまで、ギラのために死んで終わるのが美しいと思ってたんですよ。でも直前で「いや、これ助けた方が絶対に面白い」と思って。
スタッフの方はみんな、ここで死ぬと思っていたから、脚本を提出したら「この後ラクレスに役割あります?」って話にもなったんです。でもそこで「ラクレスは世界の歴史を知ってる唯一の人だから、この後残り続けたら、他の王様たちの導き手になる流れが作れる」って話したら、それだったら生かす意味あるなって。
最終的にはラクレスが生き残ったおかげで、いいシーンができたし、彼が生き残らなければあの物語の展開にはなっていないから、思い返しても粘ってよかったなと思います。
――『キングオージャー』は作家やマンガ家にもファンが多い作品です。ご自身では理由をどう見ていますか?
高野 「全員めちゃくちゃ熱意を持って作ってる」ってことが伝わったからだと思います。これは現場を直接見てきたから胸を張って言えますが、ものすごい熱があった。
例えば『キングオージャー』の中でアイドルオーディション回があったんですけど、予算のことも考えなきゃいけないから、脚本では舞台を小さな控室に設定しておいたんですよ。なのに当日現場に行ってみたら、めちゃくちゃ豪華なライブ会場で撮影してた(笑)。
「こっちのほうが面白いと思ってやっちゃいました」と現場の方がアップグレードしてくださったんです。そういうことがたくさんあって、書いている僕自身が驚かされることが多い現場でした。
――キャストの方の熱意も伝わっていたと思います。
高野 嬉しかったのは、王様たちのキャスト6人が、脚本届くのを楽しみにして下さってたんですよ。最初に読んだ人がみんなのLINEグループで「自分はもう読んだよ!」って報告してくれてたらしくて。全員が同じ熱を持って面白いもの作りたい、っていうクリエイターが心から求めてる環境が『キングオージャー』にはありました。












