4歳で囲碁の世界に。対局で磨かれた「20手先を読む力」

––––上野さんは、何歳くらいから囲碁を始めたんですか?

上野 私は4歳から始めて、小学2年生のときに院生(日本棋院や関西棋院などの棋院に所属し、プロ棋士を目指して修業している若手の囲碁修業生)になりました。

文田 すごいですね。4歳から始めていたら、「とっつきにくい」みたいな感覚もなく楽しめそうです。気づいたら、そこにあるものというか。

お笑いコンビ・囲碁将棋の文田大介。主にボケ・ネタ作り担当
お笑いコンビ・囲碁将棋の文田大介。主にボケ・ネタ作り担当

上野 いや、でも「よく続けられたな」という感覚はありますね。私だけでなく、いまも5歳くらいの子がこの教室に通っています。そういう子たちには、まず楽しさを味わってもらうことが大事なんです。

だからインストラクターが対局するときも、最初は指導として勝たせてあげて、徐々に楽しさを実感してもらう。そのあとに、友だちと実際に勝負するようになるんです。

文田 たしかに、最初に負けちゃうとやる気がなくなっちゃいますもんね。

上野 私の妹(プロ囲碁棋士の上野梨紗)も、インストラクター相手に100連勝してから、途中で「これじゃつまらない!」って言って、ようやく友だちと打ち始めていましたね。

––––お笑いの世界だと、高校卒業して養成所に通って……という流れが多いですよね。

文田 そうですね。ただ、最近は大卒の人が多い印象です。

根建 僕らは大卒コンビとして当時は珍しかったんですけど、いまでは結構当たり前になっています。ただ、やっぱり高校から始めたほうが絶対にいいなと思っていました。大学の4年間、完全に無駄にしましたね。

お笑いコンビ・囲碁将棋の根建太一。主にツッコミ担当
お笑いコンビ・囲碁将棋の根建太一。主にツッコミ担当

––––(笑)。無駄ということないと思いますが、早く現場で鍛えられたほうが夢に近づく、というのはありそうです。

上野 囲碁でも、例えば世界戦などで対峙するプレイヤーは、やっぱり経験の量が全然違っていて、本当に学べる部分が多いんです。実際の対局で得た反省点をもとに、鍛えなきゃいけない部分を洗い出して、トレーニングして、次の大会に挑む。そんな積み重ねです。

お笑いのネタづくりでも、似たようなことがありそうですよね。

文田 確かにお笑いでも、現場に来てくれたお客さんと共通認識を持って、初めて成立する部分があります。例えばお笑い好きの人が集まる劇場ならウケるけど、初めて僕らを観るご高齢の団体さんには通用しない、といったことも多い。だから先を読みながら、ネタ選びの段階から変えていくこともありますね。

上野 「テレビか、劇場か」でも、戦略的な部分は変わってきそうですね。そこまでお笑いに通じていない人が多い場合もあるでしょうし。

文田 おっしゃるとおりですね。ちなみに、上野さんはどのくらい先を読んで、次の一手を考えているんですか?

上野 言葉にするのが難しいですね……(笑)。囲碁の場合、石が混んでくると、どんどん次の手が読めるようになるんです。そうなったときは、だいたい20手先くらいまでの流れを読んでから、どこに打つか判断している気がします。

「20手先を読む」の発言に驚く囲碁将棋の2人
「20手先を読む」の発言に驚く囲碁将棋の2人

根建 え!? 20手先ですか?

上野 そうですね。だいたい2~3秒くらいで流れを読んで、どこに打つかを判断する、という感じです。

文田 うわぁ。すごいですわ。