2億円出しても70㎡の狭い部屋しか買えない
また、B氏は「2億円出しても70㎡の狭い部屋しか買えないのであれば、戸建ての豪邸に住んだほうが生活満足度は高いと考えるお客様は増えている」という。
建売住宅といっても、これらの家は狭小戸建てとは異なり隣の家との距離もあり、プライバシーも確保されている。ミニバンや大型車も駐車可能とあって、ゆとりのある生活ができるというのだ。
建築コストが上昇する中、マンションは狭くなる傾向が強まっている。70㎡あればマシなほうで、60㎡台の3LDKもいまや一般的だ。しかもリビングに3部屋が直結しているような、プライバシーを無視した間取りも少なくない。
現在の価格はあまりにも高くなりすぎた
子供が小さいうちは大丈夫でも、成長すると息苦しさを感じることは多い。駅や職場からの距離や24時間可能なゴミ出しといったタワマンの利便性は戸建てにはない大きなメリットではあるが、広々とした部屋や子供が無理せずに暮らせるといった情緒的な部分がここにきて注目を集めているといえる。
踊り場に入っているとはいえ、需給の面からも湾岸タワマンの価格が暴落するとは考えにくい。しかし、価格が上昇することを期待して購入するような人々にとって、現在の価格はあまりにも高くなりすぎた。
高級戸建てのようなオルタナティブな選択肢に注目が集まるのも、その副産物といえるだろう。
文/築地コンフィデンシャル 写真/shutterstock













