「aespa」の紅白初出場に反対する署名に12万筆…その発端となった“あるランプ”

韓国の人気ガールズグループ「aespa」のNHK紅白歌合戦初出場が波紋を広げている。メンバーのニンニンが過去にSNSに投稿した“あるランプ”をめぐり、物議が再燃しているのだ。そのランプとは、キノコのような形をした雲を模したテーブルランプ。

大手ECサイトでも複数の類似品が販売されている同ランプは、「原子力爆発デザインランプ」「核爆発モデル」「キノコ雲樹脂テーブルランプ」「3Dキノコ雲爆発テーブルランプ」などの商品名が付いており、原子力爆弾の投下によってできる雲をモチーフにしていることが明らかだ。

日本では80年前、原子爆弾によって数十万の尊い人命が奪われた。その象徴ともなっている「キノコ雲」をインテリア商品のモチーフにすることに、強い怒りを覚える人も多いだろう。

Amazonでも多数の類似商品が販売されている(Amazonより)
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そしてaespaのメンバーのニンニンは、このようなライトの画像とともに「i bought a pretty light~~~how is it?(かわいいランプを買ったよ~~~どう?)」というテキストを投稿した。紅白出場を機にこの問題が再燃し、SNSでは非難が殺到している。

aespaの紅白歌合戦出場をめぐって、オンライン署名サイト「change.org」では11月17日に出場停止を求める署名が立ち上がった。すでに12万筆もの署名が集まっている(2025年12月4日時点)が、同番組の出場者の変更に関する発表などはされていない。

12月2日に開かれた参議院の総務委員会ではNHKの事業に関する質疑がおこなわれ、この件も俎上に上がった。NHKの山名啓雄専務理事は「所属事務所に、当該メンバーに原爆被害を軽視、揶揄するような意図はなかったということなどを確認してございます」と回答し、出場に問題ないという認識を示したものの“炎上”がおさまる様子はない。

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そうしたなか、取材班はこのテーブルランプについて調査を進めたところ、Amazonなど複数のECサイトに加えて、あるハンドメイドサイトで人気商品として数多く扱われていることを確認した。ハンドメイドやビンテージ、クラフト素材に特化した作品を扱うオンラインマーケットプレイス「Etsy」だ。

「Etsy」を運営するEtsy, Inc.は、2005年にアメリカのブルックリンで設立された企業だ。取り扱う商品数は1億点超、アクティブバイヤーは約9550万人、年間総売上高は約126億ドル(いずれも2024年時点)。世界中のほぼすべての国から出品や購入が行なわれており、その市場規模は世界最大級と言える。

ニューヨークのブルックリンブリッジ(PhotoAC)
ニューヨークのブルックリンブリッジ(PhotoAC)

販売される商品はジュエリーやおもちゃといったものから家具に至るまで多岐にわたる。趣向を凝らしたさまざまな商品が出品されるなか、前出のテーブルランプに類似した商品も複数販売されている。検索ウィンドウに「atomic bomb lamp」などと入れると600件近くもの商品がヒットし、なかにはランプの土台に「WAR NEVER CHANGES(戦争は決して変わらない)」と記されたものも見られる。

そしてそれらの多くは、購入者から高い評価を得ているのだ。「made a great gift for christmas(クリスマスの素晴らしい贈り物になった)」「The lamp is beautiful and I love it(すごくきれいなランプでとても気に入った)」などの、日本人からすれば信じがたいコメントが多くあがっている。

検索ウィンドウに「atomic bomb lamp」と入れると600件近くものランプがヒットする(Etsyより)
検索ウィンドウに「atomic bomb lamp」と入れると600件近くものランプがヒットする(Etsyより)