高野被告の同級生「あの高野君が犯人と分かってとても驚きました」

凄惨な事件から8ヶ月余。春から夏、秋を経て冬に差し掛かった栃木県小山市の高野被告の実家を訪れた。父親と思しき男性は「答えられませんのでお帰りください」と話を遮るようにインターフォンを切った。

近くに住む女性は両親を気遣うようにこう語った。

「お父さん、お母さんは時々見かけて挨拶はされますが、これまでとお変わりないですよ。もともとご自身たちのお話をする感じの方たちでもないですし、健一さんの話をしていたこともありませんでしたから。私たちの方から事件について尋ねるようなこともいたしませんのでね……」

高野被告と佐藤さんのLINEのやりとり
高野被告と佐藤さんのLINEのやりとり

中学時代の同級生の女性は、当時の高野被告の印象と凄惨な事件が結びつかないようだった。

「ああ。事件のことですか。最初に報道を見た時はまったく高野君と気づきませんでした。ライブ配信中に映り込んだ男性をネットで見ましたがなんか凶悪な感じでしたし……。

中学時代はおとなしく、きゃしゃな可愛らしい感じで、学校で誰かに暴力をふるったとかそんな話もいっさいありませんでしたから。目立つタイプではなく、事件が起きて卒業アルバムを見てそれで私も存在を思い出したくらいです。だから、あの高野君が犯人とわかってとても驚きました」

高校時代の高野被告
高校時代の高野被告

他の同級生もみな似たような印象を持っていたという。そして女性は、高野被告の追い詰められた心境をこう思いやった。

「夏ごろに中学校の同窓会に30人くらいが集まって、自然と事件の話題になりました。被害者の方にはお悔やみ申し上げるしかありませんが、同級生のみんなは高野君のことを心配していました。高野君と仲の良かった同級生も『優しくておとなしくていいやつだった高野があんなことするなんて、よっぽど追い詰められたんだろうな』って言っていました。

人と争うというのとは無縁な印象しかありませんし、それだけに『利用されてお金とられてもうどうすることもできなかったのかもな』とみんな同情的でした。酷い事件だし、絶対にやってはいけないことだとは思うのですが、それはそうなんですけどね……」

高野被告と佐藤さんのLINEのやりとり
高野被告と佐藤さんのLINEのやりとり
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フィアンセがいた東北出身のシングルマザーのライバーと、気弱な北関東の中年男。気弱な北関東の中年男。東京で起きた惨劇の実相は、今後の公判でさらに明らかにされるだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班