ゆかちーと一番仲が良かった人は「全然気がつかなかったよね」
いっぽうで元夫と義父と暮らしていた当時の自宅周辺での「ゆかちー」は、不動産を多数所有する地元の資産家に嫁いだ平凡な主婦として映っていたようだ。
義父もかつては第一勧業銀行(現みずほ銀行)に勤めていたというバンカーだったという。金融モラルの高い家庭で育った「ゆかちー」だが、貸金庫から金塊を盗み出し、競馬やFX(外国為替証拠金取引)に突っ込んでは溶かしていたという。
そして「ゆかちー」は資産家の夫と3回目の逮捕前に離婚、今村から旧姓の山崎となった。今後、控訴審の結果にかかわらず、自ら踏み入れた茨の道が長く険しいことには変わりはない。
前出の飲食店責任者も、事件当初は“災難”に巻き込まれたという。
「ゆかちーさん離婚しちゃったんですよね。報道で見ました。事件後しばらくはこの店にもマスコミが何社も訪れていました。僕がテレビのインタビュー取材で横顔を出して答えたりしたので、この店が『三菱UFJの例の店』って周辺の人の間で知られてしまって。
通りすがりの人が『ここって三菱UFJの人が来てた店だよね』と声に出したり、テレビで見てわざわざ探して僕に会いにくる地方からのお客さんもいたくらいで、いったい何が起こってるんだって感じでしたけど(笑)」
それでも飲食店責任者は、「ゆかちー」に悪い印象を持てないでいた。
「ゆかちーさんと一番仲が良かった人とも事件後に会いましたが、『お金遣いも荒くなかったし、全然気がつかなかったよね』と僕と同じ驚き方でしたね。
本当あまりにも普通の人と同じ生活でしたし、ここでの支払いでも職場の後輩と来た時は多めに出していましたが、基本はワリカンでしたしね。
公判ではFXや競馬にのめり込んでいたとされてましたけど、彼女にはそんな様子さっぱりなかったんですよね……。FXハマってる人ってスマホを頻繁に覗き込む印象がありますが、ゆかちーさんはそういうこともなかった。ましてや建玉もでかいだろうから余計に気になりそうなもんですけどね。
ゆかちーさんの知り合いの中には『実はお金隠してるんじゃないの?』なんて冗談を言う人もいましたけどね」
そのいっぽうで、店舗責任者には「ゆかちー」の浮世離れしたある「気質」が大胆な犯行の背景にあったのではと証言する。
「公判で『私のためだけにUFJ銀行を悪く思わないでください』 とアイドルみたいな発言をしていましたが、何とも彼女らしいというか。自分がスポットライトに当たっていたいという空気はある人だったんで 」
そんな酒豪の「ゆかちー」を含めた大人の飲み会サークルは、いつの間にか雲散霧消したという。ゆかちーが再び盃を傾ける日は来るのか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班



















