自律神経が乱れている人の特徴

自律神経が乱れている人、血糖の乱れを起こしている人によく見られるサインがあります。

まず手のひらがしっとりとしています。この湿っている状態を「うるおい」と勘違いしている人もいますが、汗はうるおいとは違います。

写真/shutterstock 写真はイメージです
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みなさんも自分の手のひらをチェックしてみてください。温かくてサラサラしていれば心も体も落ち着いているサイン。手がひんやり湿っているのは交感神経が刺激されているサインです。足汗、脇汗も同じです。

また交感神経が高まるとお腹の動きが止まるため、食欲が落ちたり、消化不良になったりします。緊張が強すぎて交感神経で対応できず、背側迷走神経(後述)が反応した場合は下痢を起こすこともあります。緊張するとトイレに行きたくなるのは、このためです。本来、排便や排尿はリラックスしたときに起こる体の反応です。

よく頭や首、肩が痛くなる人。特に夕方に痛くなる場合は筋緊張性の頭痛を疑います。交感神経の働きによって側頭部から背中にかけての筋肉が過度に緊張して痛みが出るものです。コルチゾールがだんだん下がってきて血糖が維持しにくくなる夕方以降に強くなるのが特徴です。

また交感神経が高ぶると末梢血管が収縮して血流が悪くなります。その結果、手足が冷たくなったり顔色が悪くなったりします。いつも指先が冷たくなる人は自覚がなくても交感神経がつねに緊張していると考えていいでしょう。

わけもなく不安になるといった精神症状も出ます。夕方になるとなんとなく寂しくなる人もいるでしょう。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)はとてもつらい体験をした後に、その記憶が心や体に強く影響を残し、日常生活に支障をきたす状態のことです。過去のつらいことが起こったときと同じような交感神経の緊張が起こると、記憶や体感が呼び起こされてしまいます。

血糖を維持するために交感神経の緊張が起こると、同様の交感神経の緊張があった過去の記憶が想起されてしまうことがあります。ここに疲れや冷え、鉄欠乏があると交感神経はさらに刺激されやすくなり、症状はなかなか改善しません。