ブランド化していくリテール
なぜ、スターバックスのようなブランド化が重要なのか。
私は、ますますブランド化が物をいう時代になってきたと感じます。
というのも、昔は上質なコーヒーがなかなか手に入らなかった時代もありましたが、いまはコンビニでも自動販売機でも手に入ります。家でも本格的なコーヒーを淹れることができるマシンが普及しているくらいですから、本当にいつでもどこでも美味しいコーヒーが飲める時代です。
そう、「いつでもどこでも美味しいコーヒー」の価値が相対的に下がっているのです。
だからこそ、リテールもブランド化がとても重要です。スペシャルティコーヒーはブランド化が進んでいますが、いい豆をただ売ればいいわけではありません。それを消費者にどのような演出で提供していくのか。今後はそちらのほうも重要になるのではないでしょうか。
スターバックスやブルーボトルコーヒーといったアメリカ発のリテールは、まさにブランド化に成功しているリテールです。
日本にも、おもしろいコーヒーショップがあります。たとえば福岡には、Tシャツやマグカップなどのオリジナルグッズを強く展開しているユニークな専門店があります。2015年12月のオープンの日に長蛇の列ができるほど、オープン前から話題になっていました。
この店のオーナーは、コーヒーをコミュニケーションツールとしてとらえ、コーヒーを軸に新たなライフスタイルを提案しています。コンバースなどとのコラボ商品といった新たな導線をしかけ続けることで、うまくファンを増やし、育てているなと感じます。
美味しいコーヒーが普通になってしまったいま、美味しいコーヒーの先に何を提供するか。美味しいコーヒーだけ作っていればいいという職人的なバリスタ、店舗はこれから厳しい戦いを強いられるでしょう。













