「“猟友会に任せる”っていうモデル自体が破綻している」
――クマの出没数にハンターの数も追いついていないような感じがします。
猟友会はもう高齢化していて、常に人材不足です。日本では、銃の規制は厳しいし、射撃場もどんどん減っている。昔は“お金に余裕がある人の趣味”で、猟をやる人がいたんだけど、今はそんな余裕のある人がいないんです。
だからもう、“猟友会に任せる”っていうモデル自体が破綻しているわけです。
本当に必要なのは、行政とか警察が動ける体制。いわゆるガバメントハンターですよね。元自衛官とか元警察官とか、銃を扱う素地がある人がきちんと現場で動けるような枠組み。そのためには、免許の取得費用とか、銃の購入費とか、訓練の費用とか、そういうところをちゃんと公的に補助しないとダメなんです。
それから、ドローンです。熱源センサーを使えば夜でも探索できる。アメリカでもウクライナでももう普通に使っていますよ。でも日本は“前例がない”で止まるんです。その間にも、子どもは通学できない、農家や山菜採りは収入を失う、明日から飯が食えない、そういう生活が実際にあるわけです。
“クマと共存”って言いますけどね、まずは人間が普通に生活できる環境を取り戻さなきゃいけないんですよ。その上で初めて、共存の話ができるんです。
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秋田県庁によれば、クマ駆除による電話は例年より数が少なくなっているという。一方で、他の地域ではいまだに「クマを殺すな」などの電話が相次ぐこともある。クマ擁護派と役所が“共存”できる日は来るのだろうか――。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













