「少女がラオスから中国に売られる話はよく聞きますけど…」

湯島エリアで飲食店を営む日本人経営者は言う。

「もともと、湯島は日本だけでなく中国やフィリピンの“違法風俗マッサージ”で有名だよ。以前から『本番』などの違法行為でけっこう捕まってるし。20年以上前から上野や浅草、湯島界隈の外国のエロい店はフィリピン勢がとても多かった。5、6年くらい前からフィリピンよりもタイ勢が多くなった」

一部報道によれば、警視庁は今回の少女の人身取引の背後に組織的なブローカーがいると見ているという。今後は人身売買罪での捜査を進めていく方針だと言われている。

湯島エリアで個室リラクゼーション店を営むタイ人オーナーはいう。

「少女が住んでいたのがタイ北部ということは、ラオスのあたりでしょうか。あそこは女児の売買が行なわれているエリアもあり、そこには中国、韓国、台湾、日本人のお客が来ます。今回のように少女がラオスから中国に売られる話はよく聞きますけど、日本に売られる話は初めて聞いた。日本人が好みそうな丸顔の子だったのかもしれません。

私は日本でこの商売を始めて10年ほどになるが、もともとは先に日本で商売をしてる仲間のタイ人からの紹介でやってきた。日本にはすでにタイ人コミュニティはあるので、日本に来たい女性がいれば、働く場所も多くあります」

タイ人のリラクゼーション店をよく利用するという男性客にも話を聞いた。

性的サービスは別料金で行われていたという(店舗HPより)
性的サービスは別料金で行われていたという(店舗HPより)

「日本のメンズエステ店と同じでタイ人マッサージ店にも“本番あり”の店があります。だから少女がどこまでやらされたのか……より闇が深い事件だと思います」

店舗オーナーの細野容疑者の自宅は調布市内の古びたアパートだった。人身売買に関わる違法店舗のオーナーの自宅にしてはあまりにも質素だ。アパート内の住人に写真を見せるとこう証言した。

「1年前くらいに引っ越して来た人に似てるね。その方だったとしたら引っ越しの挨拶にも来ましたし、自転車置き場でも挨拶をしたことがありますよ。なんかうつむき加減にボソボソって話していましたが、悪い人って感じではなかったですね」(アパートの住人)

細野容疑者の背後にはどのような人物が関わっているのだろうか。今回の事件は氷山の一角かもしれない。警視庁も「違法な店舗を利用する客側も、人身取引に加担している」と警鐘を鳴らしている。引き続き厳しい捜査をしてほしい。

細野容疑者の自宅アパート(撮影/集英社オンライン)
細野容疑者の自宅アパート(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班